日本オラクルは12月3日、米国本社のデータベース・サーバー技術担当エグゼクティブ・バイスプレジデント アンドリュー・メンデルソン(Andrew Mendelsohn)氏の来日にともない、機械学習で自動化する自律型データベース「Oracle Autonomous Database」についての最新動向を説明した。

  • 米Oracle データベース・サーバー技術担当エグゼクティブ・バイスプレジデント アンドリュー・メンデルソン(Andrew Mendelsohn)氏

「Oracle Autonomous Database」は2017年の「Oracle OpenWorld」で発表

今年の4月には、自律型データベース・クラウド「Oracle Autonomous Database Cloud」の第1弾となる「Oracle Autonomous Data Warehouse Cloud」の国内提供を発表。8月には、自律型データベース・サービス「Oracle Autonomous Transaction Processing」(Oracle ATP)の提供開始を発表している。

アンドリュー・メンデルソン氏は、「Oracle Autonomous Database」の主な特徴は、インフラ管理、監視、チューニングを自動化する自己稼動(Self-Driving)、セキュリティと可用性を担保する自己保護(Self-Securing)、ダウンタイムから保護する自己修復(Self-Repairing)だと説明した。

  • 「Oracle Autonomous Database」の主な特徴

そして、「自動化機能は、ExadataやOracleデータベースの自動化機能を利用したもので、これまで何年もかけてやってきている。これが他社との差別化になる」と語った。

  • Exadataに自動化機能

  • Oracle DBの自動化機能

自律型DBのCIOにとってのメリットは、自己稼動によるコスト削減、自己保護によるサイバー攻撃の脅威の回避、自己修復によるダウンタイム時間の削減だとしている。

  • 自律型DBのメリット

「Oracle Autonomous Data Warehouse Cloud」はデータ分析ワークロードに最適で、主要なユースケースとして、データマート/データウェアハウス、データサイエンティスト向けサンドボックス、データレイクを想定しているという。

もう一方の「Oracle Autonomous Transaction Processing」は、トランザクションとデータ分析の混合ワークロードに最適で、主要なユースケースとして、ミッションクリティカルアプリ、トランザクションと分析の混合ワークロード、アプリ開発を想定しているという。

「Oracle Autonomous Data Warehouse Cloud」では、今後、自動パーティションによるローリング・ウィンドウ管理機能を来年初頭に提供。その後、最小/最大OCPU設定による自動拡張の開発を行っていくという。

  • 「Oracle Autonomous Data Warehouse Cloud」の特徴と今後の追加機能

「Oracle Autonomous Transaction Processing」は、現状の共用タイプに加え、専用インフラサービスを新たに提供する予定で、停止時間を1カ月2分30秒未満にし、SLA(Service Level Agreemen) での稼働率99.995%を保証する。なお、この2分30秒にはバグ修正による停止時間も含めるという。

  • 「Oracle Autonomous Transaction Processing」の今後の追加機能

また、自動索引作成による高速化や、自動的なオンライン拡張や縮退も提供するという。 自動索引作成についてアンドリュー・メンデルソン氏は「顧客も気づかない新たなショートカットを提供する」と述べた。

  • 「Oracle Autonomous Transaction Processing」の自動索引作成

また同氏は、あらゆるニーズを1つのデータベース・サービスでカバーしている点が開発者にとっての「Oracle Autonomous Database」のメリットだとし、「競合は目的別にデータベースを提供しており、それらが連携できない」と語った。