一方、パートナープログラムについては、「外資系にありがちな、認定されないと製品を販売できないといった仕組みは考えていない。ヤマハ製品を長年扱っている企業は山ほどあるが、どれほど"ヤマハラブ"なのかが第三者にはわからない。そこで、"ヤマハ愛"を法人として示したい企業もあるのでないかと考えた」と三宅氏は語った。
そうした思想であるため、登録料は無料から始めることができるプログラムを目指しているという。営業支援系ドキュメントの強化など、マーケティング支援メニューを中心にした支援を予定。サイトにパートナーリストを掲載するなどして、ヤマハ・ネットワーク製品の販売に力を入れていることを証明できる仕組みにしたいという。一般的なメーカーが提供するパートナープログラムと比較すると、かなり緩やかなものになりそうだ。
パートナー向けの資料を充実させるため、提案に使える資料の専用サイトをよりオープンに利用できるように改装中だという。ユーザー向け資料はオープンに閲覧でき、パートナー向け資料は事前登録をすれば利用できるという作りで、近日公開に向けてSCSKが作業中だという。
これを受けて平野氏は「ヤマハのルータは立ち上がりから技術者主導で、現場の技術者にわれわれがノウハウを提供して成長してもらうというビジネスモデル。そこに、技術者支援だけでなく営業支援を総販売元であるSCSKが動いてくれるのはありがたい」と語った。
パートナープログラムの仕組みとしては、ゴールドパートナーとシルバーパートナーという2つのグレードによる構想が紹介された。シルバーパートナーの特典がサイト上のリストに名前を掲載し、資料サイトを利用できるIDを取得できるというものであるのに対し、ゴールドパートナーには証明書も発行される。
無料から始められることを基本としているだけに、ゴールドパートナーになるために必要なのは、前述の認定試験の合格者だという。受験料はかかっているわけだが、一般的なパートナープログラムのようなコストメリットだけではないことがわかる。
パートナーとして得られる主なメリットは、豊富な営業資料が利用できることにある。この点について、池本氏は「われわれが手掛けている雑誌において、既に利用が当たり前になっていると思っていたVPNを特集した号に大きな反響があった。このように、当たり前になっていることこそビジネスに役立つと言える。お客さまが求めているデザインパターンなど、有益案ヒントがあればビジネスが広がるだろう。ぜひ、がんばっていただきたい」と激励した。
パネルディスカッションで語られた検定試験およびパートナープログラの骨子は、あくまでも仮のものだ。これから決定されることが大半であるため、要望を積極的に出してほいとの呼びかけも行われた。
「認定試験を作ろうと決めてから実施までに1年はかかる。したがって、認定試験の開始は早くて1年後くらいだろう。しかも、2つ同時に開始は厳しい。初級を初めてから中級というのが一般的な流れ」という吉政氏の言葉を受け、三宅氏は「1年ということで、来年のこの場での発表も考えている。来年にいい報告ができれば。ぜひ支援いただきたい」と語った。