大日本印刷(DNP)とJTBは11月29日、旅行者のパーソナルデータを情報銀行(情報信託機能)で集約・活用する「次世代トラベルエージェントサービス」を共同で開発し、東京の上野エリアと京都の岡崎・蹴上及び周辺エリアでの実証事業を2018年12月に開始すると発表した。

  • 実証事業の概要

    実証事業の概要

両社は2017年度総務省の「情報信託機能の社会実装に向けた調査研究」に参加するなど、観光分野での情報銀行の社会実装に向けて協業してきた。今回の実証事業では、共同開発した次世代トラベルエージェントサービスを使い、旅行者とサービス事業者の双方に有益で、効率良くデータの流通と活用ができる情報銀行のあり方や新しい価値の創出を検証する。

同実証事業は、文化・芸術的価値のある地域資産が集積し近隣の店舗・施設への回遊促進を目指す、東京の上野エリアと京都の岡崎・蹴上および周辺エリアで行う。

情報銀行を介して旅行者とサービス事業者(文化施設、観光体験、飲食店、小売店など)との間でのデータの流通と、その利活用を促進し、新たな旅行体験の創出と地域内の旅行者の回遊や消費の拡大・促進策を検証。実施期間は2018年12月から2019年2月まで、目標ユーザー数は東京および京都の合計で1000人。

同サービスの概要および実証事業のポイントとして「旅行者の選択・判断・手続きの負荷軽減とサービス事業者との最適なマッチングの実現」「旅行者への付加価値の高い体験の提供」「観光分野における情報銀行の認定基準およびモデル約款に関する検証」の3点を挙げている。

旅行者とサービス事業者との最適なマッチングに関しては、まず旅行者は身元や連絡先、旅行先でのリクエストや趣味、行動プランなどのパーソナルデータを、同サービスの情報銀行に登録する。情報銀行は旅行者からの委任に基づき、データ提供の判断を含む旅行中の多種多様な判断・行動を支援し、手続きの負荷軽減、サービスマッチングなどの最適なコミュニケーションを実現する。

同実証事業では旅行者に行動プラン管理機能、LINE連携によるオファー受信・メッセージング機能、観光施設などへの入場・利用手続きを簡易にするQRコードによるアクセス管理機能などを持つアプリを提供。サービス事業者には、情報銀行が提供するデータを容易に活用できるマーケティングツールを提供する。

  • 専用アプリの画面

    専用アプリの画面

旅行者への付加価値の高い体験の提供については、旅行者は情報銀行へデータ提供することで、同実証事業に参加する100社程度のサービス事業者から旅行者のニーズにマッチした情報を受け取ることができるほか、一部のサービス事業者からは、特別観覧や文化体験、観光ガイドなど、通常の旅行では体験ができない特別なサービス提案を受けられるという。

情報銀行の認定基準とモデル約款に関する検証に関しては、多様なサービス事業者が旅行者に関与する観光分野では、データ流通・活用における旅行者の安全・安心を担保するために、データのコントローラビリティ・トレーサビリティの確保やデータの管理体制を含め、情報銀行、データ提供先となるサービス事業者の安全性・信頼性を保証するルール・体制が求められる。

そのため、社会実装の推進にあたり、同実証事業において「総務省・経済産業省『情報信託機能の認定に係る指針ver1.0』に定める認定基準およびモデル約款」に関する検証を行う。実証事業における各社の役割は、JTBは情報銀行(情報信託機能)サービスの運営主体として、運営や実証事業に参加するモニターの募集、各実証事業エリアのサービス事業者との調整などを実施する。

JTBコミュニケーションデザインは、実証事業のモニター募集などのプロモーションを企画し実施する。JTB総合研究所は、実証事業の調査・検証をサポート、DNPは情報銀行サービスの運営主体として、実証事業の計画やサービスモデルの企画策定、情報銀行のシステムやアプリケーションの提供を担当する。

上野観光連盟は上野エリアでの実証事業に参画するサービス事業者の募集・調整を、京都岡崎魅力づくり推進協議会は京都エリアでの実証事業に参画するサービス事業者の募集・調整を、それぞれ担当する。