日本マイクロソフトは、「ID@Xbox プレスブリーフィング」と「日本最新タイトル体験会」を開催。「ID@Xbox」は、インディペンデント デベロッパー(直訳:独立した開発者)のためのXbox Oneと、Windows 10向けのデジタルパブリッシングだ。インディーズゲームを制作するデベロッパーに向け、開発の支援、プロモーションの支援、すべてのXboxプログラムへのエントリーなどを行う。
2013年8月に発表されたID@Xboxは、最初のゲームを2014年にリリースしており、今年で5年目を迎える。今回、ID@Xboxのシニアディレクターであるクリス・チャーラ氏が来日し、ID@Xboxの現状とこれからについて語った。
現在ID@Xboxは、1,000を超えるゲームタイトルをリリースしており、世界60カ国以上のデベロッパーが参加しているとのこと。3,000以上のデベロッパーへ開発機を提供しており、1,500以上のゲームが現在開発中という。
日本のインディーズゲームデベロッパーの多くは、海外での販路を持っていない。よって、ID@Xboxに参加することで、簡単に海外へリーチできるのは大きな利点だ。
タイトルがローンチされたときには、プラットフォーム上で紹介するシステムがある。ブログやTwitterなどでも随時ユーザーに知らせるなど、登録タイトル数が増えても、可能な限り、多くの人の目に触れるような施策をとっている。
また、E3などのイベントではトレーラーを上映しているが、すべてのデベロッパーに上映するチャンスがあるとのこと。数に限りがあるので、審査によって上映の可否が決まるが、ゲームの完成度やタイミングなど、審査そのものは厳選したチェック。トレーラーを用意すれば、チャンスは平等だ。
世界へリリースするにあたっては、ローカライズやカルチャライズなどが必要になってくる。これはID@Xboxで行ってくれるわけではなく、デベロッパーやパブリッシャーの担当領域だが、ID@Xboxに相談すればアドバイスはもらえる。
まわりを見渡すと、インディーズ向けのプラットフォームや支援は、Xbox以外のコンソールマシンやPCゲームでも行われている。クリス氏によると、「ID@Xboxが他のプラットフォームと比べて優れているのは、Xbox Oneの世界的な展開とアクティブユーザー数、エコシステムとして多くの人とつながれること」だという。
ID@Xboxで配信が決まった『The Good Life』
今回のブリーフィングでは、ゲストとして、Whtie OwlsのSWERY氏も登場。ID@Xboxでの配信が決まった『The Good Life』について解説した。
『The Good Life』は、クラウドファンディングで開発費を募り、資金を集めたタイトルで、PS4とPCのプラットフォームで開発が決まっていた。そこでさらに、Xbox Oneでのリリースを交渉しており、今回、Xbox Oneでの発売も決定した。
『The Good Life』は、ニューヨーク出身のカメラマン、ナオミがイギリスの田舎町で借金の返済するためにさまざまな仕事をしていく。ナオミが訪れた町は何の変哲もない田舎町だが、あるタイミングで住民が犬や猫に変身してしまう。当然、ナオミも犬や猫になることができ、犬や猫になったときだけ可能な行動もある。
ゲームを紹介したトレーラーは、川に浮かぶ死体を発見するところで終了。サスペンス的な事件解決要素もあることがわかる。現状では、何をするゲームかをスパッと言い表すのが難しいゲームだ。
今回は、一通り『The Good Life』の説明をしたうえで、Xbox Game Passへの対応についても言及した。Xbox Game Passは、いわゆるサブスクリプションサービスで、月額9.99ドルで、対応したゲームが遊び放題となるサービスだ。
残念ながら、日本ではまだXbox Game Passが提供されていないので、早急なサービスインを期待したいところだ。ブリーフィング後は、ID@Xboxに登録された7つのタイトル(下記)の体験会が行われた。
LA-MULANA2
2Dライクのアクションゲーム。鞭を使って敵を倒し、さまざまな仕掛けをクリアして、先のステージに進む。
ドラゴンファングZ
ローグライクのアクションRPG。敵を倒し、アイテムを探しながらダンジョンの深層階を目指す。
サリーの法則
父親とサリーをそれぞれ動かし、トラップやギミックを回避し、ゴールを目指すアクションパズル。ひとりプレイでは父親とサリーを交互に操作し、ふたりプレイではそれぞれを操作する。
RIVAL MEGAGUN
対戦型の縦スクロールシューティングゲーム。敵を倒すことで溜まるゲージを使い、相手を攻撃できる。ゲージが最大まで溜まると、プレイヤーがボスキャラクターとなって直接対決。
フォーゴットン・アン
アニメーションのキャラクターをそのまま操作しているような、滑らかな動きが特徴的なアドベンチャーゲーム。
バックスラッシュ
対戦型アクションゲーム。さまざまな流派を組み合わせることで、多彩な攻撃や必殺技が使えるようになる。
アルバスティア戦記
16ビット機を彷彿させるドット絵が懐かしくも新しいRPG。最大パーティ13人と、これまでにない人数で戦えるのも斬新。
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日本のデベロッパーにとって、世界にゲームを知ってもらう手段としてID@Xboxは重要な存在。ただ、日本のプレイヤーがその恩恵を得るには、やはりXbox One Xの日本での販売拡大とメジャータイトルの充実が欠かせない。ID@Xboxのゲームをより気軽に楽しめるようにするためにも、日本でのXbox Game Passへの対応が求められる。