2,000社のスマートロック企業がひしめく中国

SESAMEがアメリカ市場で成功していたとしても、日本は特殊な市場。すでに日本国内でも、いくつかのスマートロックがあり、しのぎを削っています。SESAME miniの販売予定価格は14,800円(税込)と、スマートロックの中では安い部類。さらに2018年10月24日現在、クラウドファンディングサイト「Makuake」では早期購入特典として9,980円(税込)で購入可能。その安さで日本国内のスマートロック市場に風穴を開けようとしています。

2018年8月28日からスタートしたMakuakeでのクラウドファンディングは、10月23日の時点で9,000万円以上を集めて達成するなど、1億円も目前まで迫っています。クラウドファンディングでお得に購入できるのはあと一週間(10月30日23時59分まで)。現在の在庫がなくなると、つぎに購入できるのは来年(2019年)春になるそうです。

  • SESAME

    SESAME miniは写真のブラックのほか、ホワイト、ゴールド、シルバーを選べます

ジャーミン氏は「もともとSESAMEがアメリカのクラウドファンディングで成功したこともあり、日本でもクラウドファンディングを利用することにしました。今回は資金が欲しいというより、より多くの人々に知ってもらいたいのが一番。ハードウェアで利益を取ろうと考えていません。だから安く提供できるのです」と述べます。

「いち早く、一人でも多くのユーザーに使ってもらうことを重視しています。中国にはスマートロックメーカーが2,000社あるといわれており、日本のスマートロック市場にも、中国大手などがこれから参入してくるでしょう。それより前にユーザーを確保し、実績を作りたい。日本国内のライバル企業を気にしている暇がありません」と焦りを見せました。

ジャーミン氏は、日本のほか中国市場もターゲットにしています。中国に向けては、ビルドインタイプのスマートロックを南京市の新築マンションに導入していく計画があるそう。通常のドア内部にSESAMEと同じ制御基板が入っており、SESAMEと同じアプリで操作できます。

「日本でも電子ロックを提供している企業と商談を進めていますし、アメリカ向けや中国向けのスマートロックを台南にある大手ハードメーカーに製造してもらう話も進行中です。CANDY HOUSEがアプリやクラウドサービスなどソフト面を提供し、ハードウェアは得意な会社に任せるという方法も考えています」(ジャーミン氏)

スマートロックを低価格で販売するだけではなく、スマートロックの世界的なプラットフォームを作ろうとしているジャーミン氏。2,000ドルで買った3Dプリンターで作ったスマートロックは、いろんな形に姿を変えて世界中に広がり始めています。