AI、VR/AR、マルチクラウドに着目

続いて、DellのCMO アリソン・デュー氏が登壇した。デル氏が紹介した4つの変革を実現し継続するためには「感知」「理解」「行動」という3つの要素からなるサイクルを回すことで、データの真価を解き放つことが大切であると説明した。

  • Dell CMOのアリソン・デュー氏

    Dell CMOのアリソン・デュー氏

  • 「感知」「理解」「行動」の"イノベーションループ"

    「感知」「理解」「行動」の"イノベーションループ"

その鍵となるテクノロジーとしてDellが着目しているのが、AI、VR/AR、そしてマルチクラウドだという。

「データの量や種類は今後巨大なものになる。AIやマシンラーニングでこれらを処理していくためには、コンピューティングにイノベーションを起こさなければならない。AIのためのデータ管理・保護の世界でもリーダーシップを取っていきたい」(デュー氏)

VR/ARについては「インタラクティブにデータを使うことができるもの」(デュー氏)とデータ活用のためのツールとして重要であることを説明したうえで、「VR/ARはゲーム業界のシェアが大きいと考えられがちだが、産業、医療業界でもすでに利用されている。作業者のトレーニングや遠隔地とのコミュニケーションなど、かつて時間が掛かっていた仕事のスピードアップに貢献できる」と語った。

また、デュー氏は「企業は今後ワークロードに適したクラウドを選んで利用するという流れがでてくると考えている。こうすることによってスムーズに新しいテクノロジーを利用できるようになる」と、マルチクラウド戦略の重要性についても説明していた。

  • Dell Technologiesのデジタル基盤

    Dell Technologiesのデジタル基盤

デンソーとMcLarenが取り組むDX

基調講演にはゲストスピーカーとして、デンソーのMaaS開発部長兼デジタルイノベーション室長 成迫剛志氏、McLaren GroupのCOO ジョナサン・ニール氏も登壇した。

  • デンソー MaaS開発部長兼デジタルイノベーション室長の成迫剛志氏

    デンソー MaaS開発部長兼デジタルイノベーション室長の成迫剛志氏

100年に1度の変革期と言われている自動車業界。自動車部品サプライヤーのデンソーも、この変革の波にさらされている企業のひとつだ。成迫氏は「移動のサービス化 MaaS(Mobility as a Services)も注目されるようになってきたが、未来のモビリティ社会を実現するためには、ITとモビリティの融合が必要」とITやデータの重要性を訴える。

そして、デンソーではこうした変革に対応すべくデジタルイノベーション室を2017年に開設した。同室では、シリコンバレーのスタートアップの手法を参考にデザイン思考やアジャイル開発などを取り入れることで、新しいビジネスの創出へ向けた取り組みを進めているという。

  • デンソーでは、破壊的イノベーションを作るディスラプター=シリコンバレーのスタートアップのアプローチを取り入れている

    デンソーでは、破壊的イノベーションを作るディスラプター=シリコンバレーのスタートアップのアプローチを取り入れている

一方、ニール氏はF1におけるテクノロジー活用の重要性について説明した。

  • McLaren Group COO ジョナサン・ニール氏(写真左)

    McLaren Group COO ジョナサン・ニール氏(写真左)

「F1は、スポーツとテクノロジーが出会う場所。常に改善が求められる世界で、F1マシンの性能の差は4%ほどしかないと言われている」とニール氏。

McLarenではF1マシンに約300のセンサを積み、1万7000ものパラメータを取得。これをガレージに設置しているPowerEdgeサーバで処理しているのだという。マシンの設定は、ドライバーやサーキットに合わせて変える必要があるため、「数週間前とは全く違うものになる」(ニール氏)。

そして、近年ではこうしてF1で培った技術を、航空管制デバイスや医療など他分野にも展開している。ニール氏は「McLarenは2025年にはテクノロジー企業となる。変化のスピードに遅れないことが重要」と今後の展望を語っていた。