デルおよびEMCジャパンは10月19日、米Dell Technologiesが日本を含め、世界42カ国で行ったデジタルトランスフォーメーション(DX)の進捗状況に関する調査における、日本の調査結果を発表した。なお、グローバルの調査結果の発表は2019年1月を予定している。

この調査は、世界の中堅企業以上4600社の最高経営者レベルの役員に対して行ったもので、日本では100社を対象にしている。なお、この調査は2016年に続き2回目となる。

それによると、5年以内に顧客の需要変化に対応するのに苦慮するだろうと感じている企業は46%で、DXを組織全体に広げる必要があると考えている人は66%いたという。

  • 調査結果サマリー

デジタル トランスフォーメーションを阻害する要因トップ5は、

  1. 予算およびリソース不足(42%)
  2. 組織内のスキルおよびノウハウの不足(31%)
  3. 一貫したデジタル戦略とビジョンの不足(24%)
  4. データのプライバシーとサイバーセキュリティに関する不安(23%)
  5. ビジネスのスピードに見合う適切なテクノロジーの不足(22%)

となった。

  • DXを阻害する要因

障害トップ5の比率が2016年の調査時よりも増えている点に関して、EMCジャパン 常務執行役員 システムエンジニアリング本部長 飯塚力哉氏は、「2年前よりも、実際に取り組む企業が増えたため、障害と感じる部分が増えたと考られる」と解説した。

  • EMCジャパン 常務執行役員 システムエンジニアリング本部長 飯塚力哉氏

実際にDXに向け取り組んでいる内容としては、

• 19%の企業が、新製品/サービスの開発促進にデジタル テクノロジーを使用(2016年から23%の減少)
• 25%の企業が、すべてのデバイス、アプリケーション、アルゴリズムにセキュリティとプライバシーを組み込み(2016年から7%の減少)
• 35%が、コーディングを指導できるスタッフなど、社内における適切なスキルセットおよびノウハウの構築に苦慮(2016年から13%の増加)
• 32%が、ITリーダーにはビジネス スキルを、ビジネス リーダーにはITスキルを身に付けさせることで業務を横断した知識の共有を実現(2016年から4%の増加)
が挙げられる。ただ、これらの領域における進捗状況は遅く、ムラがあるという。

  • DXに向け取り組んでいる内容

今後1年から3年で予定している投資対象は、人工知能(AI)、サイバーセキュリティ、マルチクラウド、IoTテクノロジー、コンピュート中心のアプローチで、また、少数ではあるものの有意な数の企業が、まだ発生段階にあるテクノロジーを実験する予定で、12%がVR/ARに、11%が商業向け無人航空機(ドローン)およびブロックチェーンに、8%が量子コンピューティングに投資すると回答しているという。

  • 投資対象のテクノロジー

DXに対応するにあたり、Dell Technologiesグループとして、シナジー効果を発揮するためにどのような取組を行っていくのかについて、米Dell CMO アリソン・デュー氏は、「DellとVMwareの間では、Workspace ONEのテクノロジーを使って、クライアントやエンドポイントの管理をシステム上で行い管理性を増す取組を行っている。このようないろいろなテクノロジーを組み合わせていく取組は始めたばかりですが、今後、統合型ソリューションを構築をすすめていく。また、パートナーエコシステムを連携し、より広範なパートナーにより提案を増やすといった取組を行っていきたい」と語った。

  • 米Dell CMO アリソン・デュー