Dell EMCジャパンは9月12日、モジュラー型の新サーバ「Dell EMC PowerEdge MX」の国内提供を発表したが、10月5日、東京三田のDell EMCソリューションセンターにオープンしたキネティック インフラストラクチャ検証センターを公開した。
同検証センターはPoC(Proof of Concept)用途を想定したもので、2つのPowerEdge MX7000シャーシに、2ソケットサーバ「PowerEdge MX740c」×4、4ソケットサーバ「PowerEdge MX840c」×2、ストレージ スレッド「PowerEdge MX5016s」×2、スイッチスレッド「MX9116n」×2、ファブリック 拡張 モジュール 「MX7116n」×2、FCスイッチモジュール 「MX610s」×2が用意されている。
PowerEdge MXは、キネティック(構造の完全性を低下させずに変化に対応する設計)インフラストラクチャによって設計されている。目的は、ニーズに応じて、動的にシステム拡張や再定義ができることだ。同社ではミッドプレーンが新しいテクノロジへの対応の足かせになっていたとしており、今回これをなくすことで、アップブレードを容易にしている。
EMCジャパン インフラストラクチャ ソリューションズ事業本部 製品本部&プランニング渡辺浩二氏は、「ミッドプレーンがボトルネックとなり、新しい技術に追随できなくなっている。そのため、ブレードサーバは下火になっている。PowerEdge MXはミッドプレーン排除することで、高密度化よりも最新技術に対応するためのリプレースを重視している」と語る。
デル カスタマーソリューションセンター センター長 相場宏二氏は、「ミッドプレーンをなくしたことで、冷却のためのエアフローが格段によくなっている」と、別の効果も指摘する。
また、PowerEdge MXは、管理ツールとして新たに「Dell EMC OpenManage Enterprise Modular エディション」を標準で組み込み、データセンター内も含めPowerEdge MXのコンポーネントを一元管理できるほか、変更やテンプレートの展開が行えるのが特徴だ。
「サーバの管理コストは、サーバ代金の3倍くらいかかる。OpenManage Enterpriseは、イベントリ情報管理、セットアップ、障害対策、ファームウェアの更新を自動化し、他社のサーバも管理できる。PowerEdgeに付属している管理ツール『iDRAC』では2000くらいの項目を管理できるが、これをサーバ1台づつ設定してしていくのは大変だ。OpenManage Enterpriseでは、テンプレート作成し、それを複製して適用できる」(相場氏)
キネティック インフラストラクチャ検証センターの提供は、同社が掲げる販促施策の1つで、今後、ブレードサーバのリプレース用途を中心に販売を強化していく。