3種類のiPhoneとともにお披露目されたのが、Apple Watch Series 4です。4世代目にして初めて画面の大型化を図り、本体サイズはほぼ据え置きながら視認性を大きく向上。画面いっぱいに情報が表示されるようになり、見た目の印象も高まりました。盤面のデザインも大幅に見直され、大画面を生かしてさらに多くの情報を盛り込めるようになったのは便利だと感じます。

  • Apple Watchの登場以来、初めてパネルの大画面化が図られたApple Watch Series 4

  • 画面の大型化に合わせて盤面のデザインも新しいものを用意。従来モデルには追加されないため、Series 4のみの特権となる

  • 波のような模様が盤面を描き出すアニメーションタイプの新デザインも用意する

  • デジタルクラウンを押した際に現れるアプリ一覧の画面は、オーソドックスなデザインに一新

  • 背面には、これまでの光学式センサーに加え、新たに電気式センサーを追加した

好ましいと感じたのが、内蔵のTaptic Engineを利用し、右にあるデジタルクラウン(竜頭)を回した際、カチカチといった振動を発生できるようになったこと。機械式の竜頭を回しているような感覚が指に伝わり、確実な操作にもつながると感じました。

  • デジタルクラウンは、回した際にカチカチとした触感が得られるようになった

外観の変化以上に目を引いたのが、装着者の健康や安全を見守る機能が大幅に強化されたこと。その1つが、心電図が計測できるようになったことです。デジタルクラウンに人差し指を30秒ほど当てるだけで、背面の電気式センサーの情報と合わせて心電図を取得。定期的な健康診断などの際、取得したデータを医師が精査することで、自分自身では意識していなかった心臓の病気の発見につなげられるというわけです。

  • デジタルクラウンに人差し指を当てるだけで心電図を取得できる機能を盛り込んだ。残念ながら日本で使えるようになるかは未定とのこと

しかし、心電図が取得できる機器は医療機器に分類され、この機能を有効にするには監督官庁による認可が必要なため、日本で利用できるタイミングは未定とのことでした。とても有用な機能だけに残念ですが、今後の案内を待ちたいところです。

もう1つは、内蔵の加速度センサーが改良され、装着者が足を滑らせたりして転倒したことを検知できるようになりました。アクシデントの発生後に装着者が60秒間動かなかった場合、異常が発生したことを救急に自動で連絡することもできます。一人で仕事や農作業をこなす人や一人暮らしの人の安全を見守れる機能として、評価できると感じました。

  • 内蔵の加速度センサーを改良し、より精度の高いデータが得られるようにした

  • 人が落下したり転倒した場合に異常なデータを検知し、第三者への通報に生かす仕組み

これまでのApple Watchは、iPhoneを手に取らずにさまざまな通知や予定などの情報を確認したり、日々の運動量を細かく取得するためのツールという印象がありました。Apple Watch Series 4は、身体の健康に関する機能が強化され、安心感をもたらすツールとしての存在感が高まったように感じます。日本でもすべての機能が利用できるようになることを願いたいものです。