NECは、9月6日と7日の2日間、「AI・IoT共創ソリューション展示会」を東京三田の本社内で開催した。

このイベントは、NECが2017年からスタートしたパートナーの製品・サービスとNECのAI・顔認証製品を連携して創出したソリューションを展示するもので、計29製品が展示されていた。

ローレルバンクマシンが展示していたのは、顔認証を利用した受付窓口システム。受付端末で来店・来場した顧客を顔で認証し、来場したことを担当の社員のスマホに通知する。ターゲットとしては、金融機関、医療、自治体などの受付を想定。銀行であれば、顧客の預金額をあわせて表示することで、適切な商品を案内することも可能だという。

  • 顔認証を利用した受付窓口システム

工場などの守衛向けの受付システムを展示していたのは、アマノだ。通常は、門のところで記帳してもらうのが一般的だが、抜けがあったり、その人が実際に退場したのかといった管理が曖昧になる。また、受付機を導入することで守衛の省力化にもつながる。顔を登録する際、名刺をスキャンして一緒に表示することもできる。カードボックス付の端末もあり、IDカードの貸し出しと回収を自動化できる。

  • 守衛向けの受付システム。ディスプレイの右横に名刺をスキャンした画像を表示できる

IDカードだけなく、顔認証を組み合わせた、よりセキュリティの高い入退出ゲートを展示していたのは、クマヒラだ。来訪者受付システムや勤怠管理システムとの連携も可能だという。

  • 顔認証を組み合わせた入退出ゲート

スリーエイ・システムでは、顔認証とブロックチェーンを活用したネット電子投票システムを展示していた。スマートフォンやタブレットでNeoFace Cloudによる本人認証を行うことで投票権の行使をスマートに行う。NECが提供するマイナンバーカード内の画像を読み込むソリューションを利用することで、マイナンバーカードによる本人確認も可能だという。電子投票を利用することで、集計のミス削減や省力化ができる。また、在宅投票を行うことで、投票率向上にも貢献できる。

  • 電子投票システム

テクノ・マインドは、AIを活用した音声ハイブリッド入力現場支援システムを展示。ハンズフリーで、声で入力したり、声で操作指示ができる。適用用途としては、検査・点検、入荷入力を想定している。画像認識でAIを活用しており、ウェアラブルカメラとの併用では、「ズームアップ」、「撮影」など指示を音声で行って作業できる。

  • 音声ハイブリッド入力現場支援システム

参考出展として展示されていたのは、システックスのレセプト・健診データへの機械学習の活用。健保組合では、組合員の健康診断のデータを保管しているが、このシステムでは、AIを使ってそれらのデータを分析し、疾病化へのリスク、重症化へのリスクや生活習慣改善に向けたアドバイスを行う。

  • システックスのレセプト・健診データへの機械学習の活用

農業領域では、南日本情報処理センターが「農業把握ソリューション」を展示。このシステムでは、ドローンによって撮影した画像を結合し3Dデータを作成。その地帯でどのような作物が生産されているのか、収穫時期や生育状況の判断などを行う。これまでは、セスナ機を使って調査していたが、ドローンを利用することで安価にできるという。このような調査は地方自治体が行っており、自治体からの問い合わせが多いという。

  • 「農業把握ソリューション」。ドローン画像を3Dデータに変換後、分析

ニセモノが多いブランド品の真贋にAIを活用しているのがアプレだ。同社が7月に発表した「TALグレーディングレポート発行サービス」は、一度専門家によって鑑定され、作成された鑑定書の正当性を保証するもの。同サービスは、ブランド品の真贋判定結果をグレーディングレポートとして発行し、NECの「GAZIRU個体識別サービス」により現品の画像と関連づけて管理することで、すり替わりを防止できる信頼性の高いレポートの提供する。二次流通業者や個人が二次流通市場で自らの取扱商品を販売する際に、このサービスを利用することで、再鑑定が不要になる。解像度1024×1024の画像で判定できるため、スマホ等のカメラで撮影した画像で判定できる。

  • TALグレーディングレポート

また、同日、本社近くのビルでは、NECディスプレイショリューションズが内覧会を実施。4kプロジェクタやディスプレイ展示を行っていた。

働き方改革向けでは、タッチパネル内蔵ホワイトボード「BrainBoard」(ディスプレイタイプ)や12月に発売する4Kレーザー光源のプロジェクタ「ViewLight NP-PX1005QL-BJD」を展示。「BrainBoard」は、タッチ操作で、最大10点まで同時書き込みが行えるのが特徴だ。

  • 「BrainBoard」

「ViewLight NP-PX1005QL-BJD」は10,000ルーメンの高輝度プロジェクタで、最大4台のデバイスから入力し、プロジェクター1台で1画面表示、2画面表示、4画面表示の投写パターンを選択できる。

  • 「ViewLight NP-PX1005QL-BJD」

  • 、最大4台のデバイスから入力して表示(画面は3台からの入力)