Firefox 62の新機能

Firefox 62の新機能であるが、以下の通りである。

  • Firefox Home(デフォルトの新しいタブ)では、トップサイト、ポケットストーリー、ハイライトの行を最大4行まで表示できるように
  • 「コンテナ内で再度開く」のタブメニューオプションは、コンテナを持つユーザーが、別のコンテナ内のタブを再度開くことを選択可能に
  • Firefox 63でシマンテックが発行した証明書のすべてを削除するまえに、ユーザーがシマンテック社が発行した証明書を信頼できないものとする設定が追加。この設定を使用するには、アドレスバーでabout:configと入力し、[security.pki.distrust_ca_policy]項目を2に設定する
  • WebAuthnのFreeBSDサポートが追加
  • Windowsユーザー向けに、パラレル・オフメイン・スレッド・ペイントを使用してハードウェアを使用しないグラフィックス・レンダリングが改善
  • よりリッチなWebページレイアウトを可能にするCSSシェイプをサポート。これは、CSSインスペクタをサポートする新しいシェイプパスエディタでも可能に
  • OpenTypeフォントバリエーションであるCSS可変フォントのサポートにより、1つのフォントファイルでより美しい文字を作成することが可能に
  • エンタープライズ向け環境のアップデート:AutoConfigは、既定でドキュメント化されたAPIにサンドボックス化されている。この設定は、about:configで無効にすることも可能。具体的には、[general.config.sandbox_enabled]項目をfalseに設定する。将来的には、サンドボックス機能を無効にする機能は削除される予定。もし、ユーザーが必要とするのであれば、複雑なAutoConfigスクリプトを引き続き使用する必要がある
  • カナダ英語(en-CA)ロケールの追加
  • 図5 変更が加えられたFirefox Home(ハイライトが2行となっている)

変更点は、以下の通り。

  • ブックマークの解説フィールドを削除。このフィールドを使用して解説を格納しているユーザーは、これらの解説をhtmlまたはjsonファイルとしてエクスポートすることができる。これらの機能は、将来のリリースで削除される予定
  • MacOS 10.14の暗いモード時に、自動で暗いテーマが有効になる
  • [security.pki.name_matching_mode]項目のデフォルト設定をEnforce(3)に変更
  • Adobe Flashアプレットは、macOS上のプロセスサンドボックスを使用して、より安全なモードで実行されるように。この機能がどのように影響するかは、[こちら](https://support.mozilla.org/ja/kb/changes-affecting-adobe-flash-firefox-mac)を参照
  • Firefox Syncの接続を切断したユーザーには、デスクトップのコンピュータからFirefoxのプロファイルデータ(ブックマーク、パスワード、履歴、Cookie、サイトデータなど)を消去するオプションが提供されるように
  • WebRTCが、画面共有を処理する方法を変更した。ウィンドウを画面共有すると、そのウィンドウが前面に表示される

開発者向けは、以下の通り。

  • 開発ツールの3つのペインのインスペクタは、ルールを独自のパネルに分割可能に
  • Web開発者向けの変更点一覧は、[こちら](https://developer.mozilla.org/ja/docs/Mozilla/Firefox/Releases/62)を参照。

今回のバージョンアップでは、Firefox HomeやCSS可変フォントのサポートなどUIに関わる変更がいくつか行われている。しかし、大きくルック&フィールに影響を与えるようなものはない。Firefox Quantumプロジェクトは当初、このFirefox 62までを予定していた。筆者のみる限り、予定されていたすべての新機能は完全に搭載しきれていないといったところであろうか。今後も地道な開発が継続され、その機能を向上させていくと思われる。

セキュリティアップデートであるが、全部で10件のアップデートが行われた。そのうち、最高が2つ、高が3つ、中が2つ、低が3つである。すみやかにアップデートをすべきであろう。