日立製作所は9月4日、JR東日本と各種モビリティサービスの利用をワンストップ化し、身近な買い物客や旅行者の交通の利便性を向上する取り組みの一環として、スマートフォンアプリを利用した「Ringo Pass」サービスの実証実験を開始した。

  • スマートフォンアプリの概要

    スマートフォンアプリの概要

近年、スマートフォンアプリを利用したタクシー配車サービスやシェアサイクルなど、交通手段の利便性を高めるモビリティサービスの利用が拡大しているとしながらも、モビリティサービスの利用においては、各サービスごとに利用者情報や決済手段などを登録し、別々のアプリケーションを使用する必要があるなど、複数のモビリティサービスを利用したシームレスな移動の実現には課題が生じているという。

このような中で両社は、移動のための情報・購入・決済をユーザーにオールインワンで提供する「モビリティ・リンケージ・プラットフォーム」によりシームレスな移動の実現を主導し、総移動時間の短縮やストレスフリーな移動の実現につなげていく取り組みを進めてきた。

今回、各種モビリティサービスごとに独立している情報検索機能や利用者情報、決済方法の登録手続きなどを1つのアプリケーションに統合し、各種モビリティサービスの利用をワンストップ化することで、利用者が素早くストレスフリーに移動手段を選択・利用できるRingo Passサービスのスマートフォンアプリを開発し、モビリティサービス事業者と連携した実証実験を開始した。

同実験では、モニター企業数社の従業員が同サービスを利用し、タクシーとシェアサイクルをスムーズに利用できるワンストップサービスの利便性の検証を行う。

具体的には、モニター企業約10社、約200人の従業員が各種モビリティサービス(シェアサイクル、タクシー)を検索する機能、Suicaをモビリティサービスの鍵として利用する機能、QRコードによる決済機能の3つの機能を備えたスマートフォンアプリを用いて、ドコモ・バイクシェアおよびkmタクシー(国際自動車)を利用し、鉄道・タクシー・シェアサイクルの利用をシームレスに連携させた移動の利便性向上に関する検証を行う。

実施場所は、シェアサイクルが東京都内9区で(サイクルポート数は約470カ所、タクシーが東京都内23区、武蔵野市、三鷹市でタクシー台数は約3600台。開始時期は、すでにシェアサイクルは8月30日に開始しており、タクシーは2018年11月に開始を予定している。

日立は同実験を通じ、JR東日本と共にRingo Passサービスの実現に向けた検討を進めていくという。また、両社を含むコンソーシアム形式により、その他の交通事業者との提携を拡大することで、利用者が多様なモビリティサービスを簡便・手軽に利用できるモビリティ・リンケージ・プラットフォームの実現を進めていく方針だ。