バンダイナムコエンターテインメントは、8月18・19日の2日間、『鉄拳7』のトーナメント「TOKYO TEKKEN MASTERS」を開催した。決戦の地はバンダイナムコエンターテインメント未来研究所。今大会は、2018年3月から11月までの間に世界各地で行われる『鉄拳7』の大会の1つで、「鉄拳ワールドツアー2018」のポイント対象となっている。
『鉄拳7』は、対戦格闘ゲームの中でも3D格闘ゲームに分類され、操作するキャラクターから見て、上下前後だけでなく、左右の動きも行える。左右のパンチボタンとキックボタン、4つのボタンとレバーの組み合わせによって、さまざまな技を繰り出し、レバーをキャラクターから見て後ろ方向に倒すと相手の攻撃に対してガードを行う。相手の体力ゲージをゼロにすると勝利で、制限時間内に決着が付かなかった場合は、残り体力の多い方が勝ちとなる。
大会形式は、1on1、3ラウンド先取、ダブルイリミネーション 2戦勝利式(決勝トーナメントのみ3試合)。ステージはランダムセレクトで、キャラクター選択はダブルブラインド。負けた選手のみキャラクターを変更することができる。
ちょっと大会様式の専門用語が並ぶので要約すると、1対1の対戦で、3ラウンド勝利すると1勝となり、先に2勝した選手が勝ち抜ける。敗者はルーザーズのトーナメントに移行し、そこでもう一度負けると敗退。ウイナーズでの優勝者とルーザーズの優勝者が最後にグランドファイナルを戦い、勝利した選手が優勝だ。ウイナーズでの優勝者は1セット勝てば優勝だが、ルーザーズ側は2セット続けて取らなければ優勝できない。
18日は大会予選が行われ、参加276名からウイナーズ、ルーザーズを勝ち抜いたそれぞれ16名ずつ、計32名を選出し、そのベスト32からウイナーズとルーザーズでベスト8を選出。そして19日は、ベスト8による決勝トーナメントが実施された。
普段は使わないキャラで周囲を翻弄したKnee選手
決勝トーナメントに進んだのは、日本人選手2人(うち1人はイタリアを拠点に活動)、韓国人選手5人、タイ人選手1人と、韓国勢の強さが目立った。ただ、ウイナーズサイドは韓国一色ではなく、イタリアとタイ、韓国2人と、ワールドワイドな選手層となっており、eスポーツがグローバルに展開されつつあることが見て取れた。
日本開催だけに日本人選手の活躍を期待したところだが、ワールドツアーランキング上位のノロマ選手やノビ選手は惜しくもベスト32プールで敗退し、唯一ダブル選手のみがルーザーズで決勝トーナメントに進出した。
ベスト8に残った選手は、圧倒的なポイント数でワールドツアーのランキング1位を独走するKnee選手、EVO 2018で優勝したLowHigh選手、屈指のパンダ使いRangchu選手、タイの英雄Book選手など、強豪ぞろいだ。
そんななかで今回、猛者たちの頂点に立ったのは、Knee選手。複数のキャラクターを操るプレーヤーとして周知されてたが、それでも使っているところをほぼ見たことがないキャラクター、リリを初戦とグランドファイナルで使用し、周囲を驚かせていた。バツグンの横移動からの攻撃で相手選手を翻弄し、見事優勝をもぎ取った。優勝賞金2500ドルを手にすると同時に、ツアーポイント300が加わり、2位との差を600ポイント以上とする独走態勢に入った。
ポイント変動可視化など、システムの変更点を発表
今大会では、ウイナーズ決勝、ルーザーズ決勝の開始前に、原田チーフプロデューサーより『鉄拳7』と『ソウルキャリバーVI』の新情報が発表された。
『鉄拳7』からはシーズン2で追加となるアンナ・ウィリアムズとレイ・ウーロンの最新トレーラーが公開され、簡単コンボとアシスト機能、ウォールバウンドの追加など、システム面の変更も発表された。
簡単コンボは、ボタンを連打するだけで多彩な空中コンボが使用できるというもの。ウォールバウンドは、これまで壁際で発生していた壁コンボの間合いを広げることで、壁コンボを楽しめるシーンを増やした。イメージ的には『鉄拳6』にあったバウンドコンボの壁版と言ったところだ。
さらに、段位システムも刷新。ブラックボックスだった昇格・降格のポイント変動が可視化され、条件も改善された。
『ソウルキャリバーVI』の情報は、ほとんどEVO 2018で発表されたもので、アスタロスやソンミナの映像などが公開された。
(岡安学)