「Androidのここがわからない」をわかりやすく解説するこのコーナー。今回は、『価格以外に「Android One」を選ぶメリットは?』という質問に答えます。

Android Oneとは

Android Oneは、Googleが各国パートナーとの協力のもとデザインするAndroid端末のプロジェクトです。対象国の市場動向や特性を踏まえつつハード/ソフトの仕様が決定されますが、Googleが設計から部品の選定まで担っていた2014年当初に比べると端末メーカーの自由度は高まり、製品のバリエーションも増えました。2018年7月現在では、日本を含む21カ国で展開されています。

そもそもは新興国市場向けという位置付けですが、ここ日本でもシャープや京セラなど数社の端末がY!mobileを中心に販売されています。価格帯はミドルクラスからエントリークラスが中心ですが、防水・防塵機能やおサイフケータイ機能のサポートなど、日本市場でニーズの高い機能が搭載されています。いわゆるハイエンドモデルと比較すると、カメラ機能やSoC性能では見劣りするものの、シンプル&ベーシックかつ高い価格性能比が支持されています。

最新のAndroid OSを利用可能

Android Oneのメリットは、端末メーカーによるカスタマイズがあまり施されていない、"素の状態に近い"Android OSが採用されていることにあります。Android端末を開発する場合、端末メーカーはGoogleが開発したAndroid OSのソースコード(AOSP)に手をくわえますが、結果としてその端末メーカーしかサポートできないOSに仕上がります。しかしAndroid Oneはカスタマイズの幅が狭く、システムのアップデートもGoogleによって提供可能です。つまり、Android Oneではつねに最新のOSが利用できるのです。

ただし、OSアップデートが保証される期間は発売から最長18ヶ月とされています。iPhone/iOSと比較すると短く、大きなアドバンテージというほどではありません。SIMフリー端末とMVNO(格安SIM)の組み合わせのほうがコストパフォーマンスが高いこともありますから、表面上の価格だけで判断しないほうがいいでしょう。

  • 発売から最長18カ月は最新システムを利用できることが、Android Oneのメリットです(写真はY! Mobileの「X4」)