DJIは8月23日、コンパクトドローン「Mavic」シリーズの新製品、「Mavic 2 Pro」と「Mavic 2 Zoom」を発表した。Mavic 2 Proは、Hasselblad (2017年にDJIが買収)によるカメラを搭載、1インチCMOSセンサーを用いている。Mavic 2 Zoomは、2倍光学ズームレンズを搭載する。価格は、Mavic 2 Proが189,000円 (税込)、Mavic 2 Zoomが162,000円 (同)。

初代Mavic Proは、混戦状態だったコンシューマ向け高機能ドローン市場においてDJIがリードを確立したヒット作になった。同社はMavic Proを「空飛ぶカメラ」として、カメラ性能と撮影機能を充実させ、またカメラバッグに入れて簡単に持ち運べる折りたたみ可能なコンパクトデザインを採用した。Mavic 2シリーズでは、そのコンセプトをさらに進化させている。空撮ユーザーのニーズに応えるように、飛行性能と撮影機能を強化した。

Mavic 2 ProとMavic 2 Zoomは同じ機体で、カメラのみが異なる。Mavic ProはHasselblad L1D-20cカメラを搭載する。1インチCMOSセンサーの有効検知範囲は、Mavic Proが搭載していた1/2.3インチの4倍の大きさで、より多くの光を取り込め、低照度環境下でもノイズを抑えた撮影が可能だ。静止画撮影時のISO感度上限値が3200から12800へ引き上げられた。また、動画撮影が4K 10-bit HDRに対応する。

  • Mavic 2 Pro

    Mavic 2 Pro

Mavic 2 Zoomの光学ズームレンズは、35mm判換算で24~48ミリ。ズーミングによって、動物などを驚かせない距離を保って撮影するというようなことが可能になった。また、位相差検出とコントラスト検出を組み合わせた素早く正確なオートフォーカス機能を搭載する。クイックショットに、ズームを活かした「ドリーズーム」が加わった。機体が下がりながらズームインすることで、背景だけが迫ってくるような効果を映像に加えられる。

  • Mavic 2 Zoom

    Mavic 2 Zoom

  • Mavic 2 Pro: Hasselbladカメラ、1インチCMOS、有効画素数20メガピクセル、24ミリ (F2.8〜F11)レンズ。4K Ultra HD (3840×2160)/30p、FHD (1920×1080) /120p、最大ビットレート: 100Mbps。
  • Mavic 2 Zoom: 1/2.3インチCMOS、有効画素数12メガピクセル、光学ズーム (24-48ミリ)レンズ、絞り:F2.8 (24ミリ)-F3.8 (48ミリ)。4K Ultra HD (3840×2160)/30p、FHD (1920×1080) /120p、最大ビットレート: 100Mbps

サポートする写真フォーマットはJPEGとDNG (RAW)。対応動画フォーマットは、MP4/ MOV (MPEG-4 AVC/H.264、HEVC/H.265)。ティルト/ロール/パンのメカニカル3軸ジンバルの角度ぶれ範囲は、Mavic 2 Proが±0.01度、Mavic 2 Zoomは±0.005度まで抑えられている。内部ストレージは8GB、microSDカードも利用できる。

撮影機能が「ハイパーラプス」「ハイパーライト」「拡張HDR写真」をサポートする。ハイパーラプスは、ワンタップで開始でき、映像が自動的にタイムラプス処理される。ハイパーライトは低照度環境において、ノイズを低減させてイメージ品質を向上させる。拡張HDRは、露出の異なる複数の写真を合成して、白飛びや黒つぶれを抑えた自然な写真に仕上げる。また「アクティブトラック 2.0」によって追尾性能が向上し、ドローンの特長の1つである被写体に追従した撮影がさらに正確かつ安定し、作品作りにより活用しやすくなった。

  • 折り畳んだ状態の「Mavic 2 Zoom」と「Mavic 2 Pro」

    プロペラとアーム部分を折り畳んだ状態の「Mavic 2 Zoom」と「Mavic 2 Pro」

プロペラとアームを折り畳んでコンパクトに持ち歩ける機構は同じだが、空気力学の観点から機体デザインを見直し、そして低ノイズプロペラとOC正弦波ドライブESCを採用した。それによって、最大飛行速度が72キロ/時に向上、飛行時間が最大31分に伸び、飛行時のノイズが低減している。機体サイズは、折りたたみ時が214×91×84ミリ、展開時は322×242×84ミリ。重量は、907グラム (Mavic 2 Pro)、905グラム (Mavic 2 Zoom)。Mavic Proよりも少し大きく、重くなったものの、それを上回る飛行性能の向上を実現している。

ビジョンシステムや赤外線検知システムなどで安全な飛行をサポートするFlightAutonomyもアップグレードし、DJIのドローンで初めて全方向障害物検知を搭載した。より正確に障害物を検知し、改善されたAPAS (Advanced Pilot Assistance System)が安全でスムースな飛行を手助けする。