プロジェクトを推進するメンバーが揃い、月2回の定例会がスタートしたのは2017年9月。社長の下に推進コアメンバー、その下にプロジェクト・サポーター(役員)、営業部門/技術部門/管理部門から選出されたプロジェクト・メンバー(現場社員)と続く。

前年24人だったメンバーは2018年に31人に増えた。そのなかには客先勤務者も含まれ、彼らが占める割合も1年で上がっている。客先勤務者にも焦点を当てたプロジェクトだからこそ、彼らの気持ちがわかる“当事者”がチームの一員であることは欠かせない。

  • LACの働き方改革ロードマップ

「私たちは働き方改革を“手段”として、会社の利益と社員の働きがいを両方叶えることを目指しています。その思いが会社全体に浸透しているからこそ、現場社員から上がってきた働き方改革の施策案は、『社員がより働きやすくなり、会社も社員も成長できるには、こういう施策があったら理想的だ』といった、会社にも社員にもメリットのある内容でした」(山中氏)

2018年4月には、プロジェクト・メンバーがまとめた具体的施策をコアメンバーが20個に絞り込み、それらすべてが経営会議で承認された。すぐに開始するものもあれば、検討を開始したものもある。

客先勤務者の働き甲斐を上げる施策

客先勤務者向けに、会長・社長が80拠点ほどある客先勤務者を順に訪問して、客先勤務者と食事をともにする「訪問ランチ」を実施

客先勤務者に特化した施策は20項目のうち4項目を占める。そのひとつである、会長・社長が80拠点ほどある客先勤務者を順に訪問して、客先勤務者と食事をともにする「訪問ランチ」は、2017年12月からスタートした。訪問ランチには、9割を超える客先勤務者が集まったという。

「『トップが自ら出向いてきてくれることで、私たち客先勤務者を気にかけてくれているのが伝わり嬉しい』『長く客先にいるので、本社で起きていることは他人事のような感覚があったが、自分ごととして考えられるようになった』といった意見が寄せられています」(山中氏)

ランチ会のほか、2017年12月に第1回が開催され、今も月に一度のペースで実施される「LAC週間」(Learn And aCt 働き方を考え試行する1週間)にもふれておきたい。LAC週間はラックの働き方改革を象徴する、継続的な社内イベントのひとつとなっている。

  • 「LAC週間」

働き方改革の在り方や進め方を学ぶ「働き方改革講座」や業務効率化に関わる講座など、社外からゲストを招いたり、他社とコラボしたり、さまざまなコンテンツを用意している。本社に戻って参加するのが時間・距離的に難しく、参加率が低かった客先勤務者向けに動画配信も始めた。