説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『iPadをiPhone代わりの電話機として使えますか?』という質問に答えます。
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片手で持てるサイズのiPhoneですが、画面が小さくて文字を読みにくいという声を高齢者から聞くことがあります。ズームで文字サイズを大きくするなど、当座を凌ぐ機能はiOSに用意されていますが、やはり大画面を望む声は絶えません。
そこでiPhoneに代わる選択肢として浮上するのが「iPad」です。画面サイズは9.7インチと12.9インチの2タイプで、いずれもiPhone Xの5.8インチに対し格段に大きく、文字サイズを上げても広々とした画面で作業できます。iPadはiPhoneと同じシステム(iOS)で動作し、操作性に共通項が多いうえアプリの互換性も高く、キャリアの通信回線を利用できるタイプ(セルラーモデル)であればiPhoneの代替品として使えるかも? と期待するのも自然な成り行きです。
ただし、iPad版iOSには『電話』アプリが収録されていません。iOS 10以降は、一部のiOS標準装備アプリが削除可能になったことを受け、App Storeで『メール』や『カレンダー』といったアプリをダウンロードできるようになりましたが、『電話』アプリは対象外です。そのため、これまでスマートフォンやフィーチャーフォンで利用してきたSIMカードをセルラー版iPadに挿しても、電話の受発信には利用できません。
なお、現在のiOSには「FaceTimeオーディオ」という機能があり、電話アプリ(キャリアの通話サービス)と同じ感覚で受発信できますが、固定電話などiPhone/iPadとは関係ない電話機からかかってきた通話を受けることはできませんし、『FaceTime』アプリからダイヤルすることもできません。
キャリアの回線を利用する電話機にすることは難しいiPadですが、通話機能を搭載したSNSアプリが増えている現状では、それほど困らないかもしれません。たとえば、「LINE」では無料で使えるLINEの利用者同士の通話以外にも、有料で固定電話など外部回線と通話できる「LINE Out」が用意されています。完全な"携帯電話代わり"に使うのは難しいものの、ときどき音声通話に使う程度であれば困らないのではないでしょうか。