超小型で、双方向の言語を翻訳してくれる通訳機ポケトークに次世代モデル「POCKETALK W」が登場しました。英語はもちろん、中国語、韓国語、ロシア語、フランス語、タイ語、ベトナム語など、74の言語で双方向のコミュニケーションを実現します。本体価格は24,880円(税別、以下同)から。発売日は9月7日を予定しています。

  • 通訳機「POCKETALK(ポケトーク)」次世代モデル発表会が開催されました。発表会ではゲストとして芸人の原口あきまささん(左)とタレントの安藤美姫さん(右)が登場。中央はソースネクスト代表取締役社長の松田憲幸氏です

新ポケトーク、どこがアップデートされたの?

初代POCKETALKが発売されたのは2017年12月。手のひらサイズの通訳デバイスとして、現在も家電量販店などで好調な売れ行きをみせている製品ですが、半年後となる2018年7月26日、早くも次世代モデルPOCKETALK Wが登場です。どのあたりがアップデートされたのでしょうか?

筆者は初代モデルを購入しているので、実際のユーザーとして初代との比較もしつつ、POCKETALK Wのファーストインプレッションを紹介していきましょう。

  • 左が新製品のPOCKETALK W、右が初代POCKETALK(筆者の私物)

画面は大きくタッチ対応に。物理ボタンも搭載

まず、本体サイズは初代とほぼ同じ、重さも同等です。しかし、画面は2.4インチに拡大されました(従来比 約3.2倍)。やはりディスプレイが大きいと、非常に見やすいです。文字サイズも4段階で変更できるので、屋外でも文字の視認性も良くなっています。

  • タッチパネルと物理ボタンに対応。大きな画面の下に、2つの物理ボタンが配置されています

操作に関しては、タッチパネルと物理ボタンに対応しました。初代モデルはシンプルゆえに「どこを触ったら言語を切り替えられるんだっけ」と戸惑うことがあったのですが、この次世代モデルなら、より直感的に操作できそうです。

  • モバイルデータ通信が4G(LTE)に対応、翻訳スピードは最大7.5倍速くなりました。特に長文の翻訳速度が速くなったと感じます

3Gから4Gに対応、翻訳スピード/精度も向上

モバイルデータ通信は4G(LTE)に対応しました。従来は3Gのみでしたが、通信可能エリアが拡大しており、通信速度も速くなっています。これにより翻訳スピードは最大7.5倍速に。

会場ではデモを体験しましたが、なるほど発話者が話し終えた直後に翻訳がスタートするような印象でした。タイムラグがなくなるので、外国人と喋ったとき、会話のテンションを下げることがなくなりそうです。

なお従来機と同じように長いセンテンスも得意にしています。また翻訳エンジンのチューニングにより、アジア圏の言語を中心に翻訳精度が向上しているそうです。

中国語⇔日本語、日本語(長文)→英文の翻訳機能を試したところです ※音が出ます

eSIM内蔵、買ってすぐ使い始められるように

今回の新製品で特徴的なのが、”eSIM”搭載により、消費者がSIMカードの設定をする必要がなくなった点。SIMカードがあらかじめ本体に埋め込まれているので、買ってすぐに使い始められます。なお初代機と同じく、今回もモバイル通信はソラコムが全面的に協力しています。

発表会に登壇したソースネクスト代表取締役社長の松田憲幸氏は「今回、世界初のeSIM搭載の通訳機として世に出せるのも、ソラコム社のおかげです」と感謝。壇上に招かれたソラコム代表取締役社長の玉川憲氏は「POCKETALK Wは、次世代のIoT通訳機になりました。Wi-Fiなしで105の国と地域でインターネットがつながります」とアピールしていました。

  • ソースネクスト代表取締役社長の松田憲幸氏(左)と、ソラコム代表取締役社長の玉川憲氏(右)

対応言語が63→74に増加。言語切り替えは音声で

初代モデルでは63言語に対応していましたが、次世代機は74言語に拡大しています。そうなると、お目当ての言語を探し出すのが大変ではないでしょうか。そこで新機能として、言語の切り替えも音声で行えるようになっています。例えば「中国語」と言えば、日本語と中国語の翻訳ができる状態になるわけです。このほか翻訳履歴は無制限に保存でき、またPOCKETALK Wの画面はPCやスマホのブラウザにもリアルタイム表示できるようになりました。

  • こちらは背面の様子。1.5Wのスピーカーを2個搭載しており、スピーカーの音量もアップしています(従来は0.8Wのスピーカー1個でした)

自社開発で初代ユーザーの要望をカバー

アップグレードの詳細を確認すると、ほとんど全面的に作り変えたとも思える内容です。それもそのはず、松田社長によれば「今回のPOCKETALK Wは、ソースネクストが100%自社製品として開発したもの」とのこと。オリジナルで開発した理由として、同氏は「お客様の要望にすべて対応するには、自社で開発するしかなかった」と説明しています。

  • スライドは、お客様から寄せられた要望の数々。このすべてに対応したのが新製品となります

カラバリはブラック、ホワイト、ゴールドの3色で展開。Wi-Fiモデルが24,880円、グローバル通信(2年)付きのモデルが29,880円となっています。ソースネクストでは、このPOCKETALK Wを国内だけでなく、海外でも販売していく考え。なお現行の初代POCKETALKについても、継続して販売していくと説明していました。

  • 新型POCKETALK Wと、初代POCKETALKとのスペック比較表

都内で開催された発表会では、ゲストにタレントの原口あきまささん、元フィギュアスケート選手の安藤美姫さんが招かれました。新しいポケトークについて、安藤さんは「自分の未熟なロシア語が通じるのか試してみましたが、カタコトの外国語も聞き取ってくれました。語学の勉強でも使えそうです」と独自の活用法を披露していました。

  • 「勉強中の片言の外国語も聞き取ってくれるのが心強い」と安藤さん。女性にも持ちやすい、気軽に旅行かばんに入れて海外にも行ける、と感心していました