日立ソリューションズ東日本は26日、在庫管理ソリューション「PSI Visualizer」にディープラーニングを利用したAI機能を搭載するために、実用化に向けた北海道大学との共同研究を実施することを発表した。

  • 問題在庫と関連するPSIデータの特徴をAIが学習

    問題在庫と関連するPSIデータの特徴をAIが学習

製造業・流通業では現在、商品の増加や市場ニーズの多様化により、適切な在庫管理が難しい状況にある。過剰在庫によるムダなコストの発生や、在庫不足による機会損失を回避するには、いかに適正な量の在庫調整を行うかがカギとなっている。

日立ソリューションズ東日本は、こうした課題に対しPSI情報を素早く可視化し、商品毎の傾向を分析して問題在庫を迅速に把握することができる在庫管理ソリューション「PSI Visualizer」を2008年4月より販売している。同ソリューションは、PSI情報と在庫評価を行う各種KPIを分かりやすく可視化できるのが特長で、多彩なグラフ表現と高い操作性から極めてユニークな在庫専用評価ツールとして高い評価を得ている。

PSI Visualizerには問題在庫を発見抽出する機能が搭載されているが、アラート(問題在庫の判断指標)の設定やアラートにより抽出された問題候補アイテムの最終的な判定、問題の箇所特定、PSIバランス悪化の原因推定までの一連の作業は、あくまでツールをユーザーの判断に委ねられている。したがって、扱う商品が多いほど作業負荷がかかるうえ、判断する人により問題抽出にバラツキがでてしまうケースもあった。

PSI Visualizerにディープラーニングを利用したAI機能が搭載されることで、こうした課題を自動で診断し、人手を介さず自動で各種在庫診断が行えるようになる。この機能の開発にあたっては、長年AI技術の研究に取り組んでいる北海道大学大学院 自律系工学研究室の山本雅人教授、同・飯塚博幸准教授の協力のもと、共同研究を実施する。さらに、サンスターなど数社の協力を得て実データでの評価作業を並行して実施し、PSI情報の振る舞いの違いによる判定パターンの業種業態別の評価を行うという。

共同研究と研究成果を実装した製品・ソリューションは、現在、プロトタイプ版の開発を完了し、より精度向上と判定能力の向上、実務での適用検証作業を実施しているということだ。

なお、同ソリューションは、9月11日〜14日に東京ビッグサイトで開催される「第13回国際物流総合展」に出展される。また、同展示会で開催されるプレゼンテーションセミナーでは「ついに在庫管理もAI活用の時代! ディープラーニングによる在庫診断。進化する判断力」をテーマに詳細が紹介される。