――平井さんが一番心に残ったセッションは何だったのでしょうか?

平井さん:機械学習の話など技術的なセッションも面白かったのですが、ひとつ挙げるとすれば「The Qualities of Great Design」でしょうか。

「よいデザインは何か?」という問いに対し、アップルのエンジニアデザイナーの言葉をかき集めて指針を解説したセッションです。アップルのデザイン、その質の高さが評価されている裏にはこういう哲学がある、といったやや難しい話が中心でしたが、個人的には一番心に響きました。

――スカラシップ枠の獲得を狙っている学生の方に向け、今回参加した平井さんから改めてWWDCに参加する魅力を解説していただけますか?

平井さん:WWDCに行く最大のメリットだと感じたのが、アップルのエンジニアの方々と直接顔を合わせていくらでも話ができることです。すでに、iOSやmacOSなどのプラットフォームで何かしらのネタを考えている人、特に進行中のプロジェクトを持っている人は、大いに恩恵があると思います。

いろいろな形で人のつながりができるのもWWDCならではでしょう。どんな形で誰と出会えるかは正直なところ予想がつきませんが、足を運んでみれば必ずやいいつながりが生まれると思います。

WWDCの本筋からは離れますが、シリコンバレーに行けるのは純粋に楽しかったですね(笑)。現地で流行っているさまざまな最新サービスにじかに触れられますから。個人的には、電動キックスケーターのシェアサービス「Lime-S」「Bird」が印象に残りました。利用した人に話を聞くと、歩くと結構かかるような場所にも2ドル程度でサッと行けて、ウーバーすら必要ないと感じるそうなんです。スマホアプリのデキもよく、実際にこれを目にできたことは収穫だと感じました。

  • シェアサービスに対応した電動キックボード「Lime-S」

  • こちらは「Bird」

――WWDCのスカラシップ、来年も参加したいですか?

平井さん:WWDCの参加者を集めたイベントの際、「スカラシップが2回目の人~!」「3回目の人は~?」といったやり取りがあったんですが、意外と多くの人が手を上げて驚きました。耳にした話だと、実に5回目の人もいるとか……(笑)。可能ならば、来年もぜひ行きたいですね。


平井さんは、WWDCでしか得られないさまざまな知識や人脈、体験を得て日本に戻ってきました。アプリ開発を目指している学生のみなさんも平井さんに続くべく、2019年のスカラシップ獲得を目指してみてはいかがでしょうか?

  • 平井さんの名前がプリントされたWWDCのパス。来年、このパスを手に入れるのは誰なのだろうか?