Appleは米国時間6月26日、macOS Mojaveのパブリックプレビュー版を公開した。既に開発者向けには6月4日の基調講演時にベータ版を公開していたが、一般ユーザー向けにもbeta.apple.comから利用できるようになった。

  • macOS Mojaveのデスクトップ。ダークモードは開発者を中心に、待望の機能だった。またスタック機能によって、デスクトップの整理も簡単になっている

iOS 12、tvOS 12は6月25日にパブリックベータ版が公開されており、macOS Mojaveは1日遅れての公開となった。今回はそのパブリックベータ版のファーストルックをお届けする。特に筆者が注目していたのは、iPadアプリからビルドしたというmacOSに新設されたアプリ群「株価」「ニュース」「ホーム」「ボイスメモ」だ。

  • iPadから新たに追加されたアプリ群

  • 「株価」アプリはiPadでも初めてのお目見え。Macでも広い画面にチャートやニュースをいっぱいに広げられる

Appleは2019年から、iPadアプリをmacOSアプリとしてビルドできるようにする予定で、そのプレビューとして、自社開発のiPhone向けのアプリにiPad版を用意したり、既存のアプリをmacOS向けにしたりといった施策を打っている。

iPadアプリとMacアプリの違いは、主にUIが中心だと説明する。すなわち、ウインドウのサイズ変更やスクロールバー、ウインドウの拡大や縮小を行うボタン、マウス/トラックパッドでのクリック、ドラッグ&ドロップ、コピー&ペーストといった、iOS上にはない操作や画面表示に対応させることで、iPadアプリをMacアプリとして利用できるようになるという。

Appleが予告する「2019年」というのが、来年のWWDCを経て2019年9月のmacOS新バージョン発表時になるのか、2019年4月頃の段階で開発者からのApp Storeへの登録を受け付け始めるということになるのか、まだハッキリしていない。

しかし、Appleは、iOS 11で非常に成功したApp Storeでの「編集」コンテンツの導入を、Mac App Storeにも用意するとアナウンスしている。これによって、Mac向けアプリの開発が活発化すると予想されるが、iOSアプリのMac版への移植がなければ、活発化の原動力に欠けるのではないか、と筆者は考えている。

なお、アプリのコードは共通化できる部分が増えたとしても、Mac App StoreとiOS向けのApp Storeは別々の存在として独立した状態を維持していくという。iPhoneであるアプリをインストールしたからと言って、自動的にMac向けの同じアプリがダウンロードされるわけではないのだ。同様に、Mac App Storeで購入した有料アプリをiPhoneで使いたい場合は、やはりiOS側でも購入が必要となる。

デベロッパーの間では、開発費の確保と既存ユーザーとのエンゲージメントを大切にできるという観点から、アプリの購読モデルへの移行の動きも見られる。その場合、iPhone/iPad向けのアプリもMac向けのアプリも無料で用意して購読する形にすれば、いずれのプラットホームでも利用できるようになるだろう。

開発者おいては、iPad版の開発からそのまま、Mac版のアプリも作れるようになり、アプリの発展の、より効率的な道筋もつけられることになる。