米Instagramは6月20日 (現地時間)、長尺動画を視聴・投稿できる新しいモバイル向けサービス「IGTV」を発表、iOS用およびAndroid用のアプリの提供を開始した。

写真・動画共有サービス「Instagram」にアップロードできる動画が最長60秒であるのに対して、IGTVでは最長10分の動画の投稿が可能 (最短時間は15秒)。さらに、多数のフォロワーを持つ認証済みアカウントで、PCからの投稿なら最長60分の動画をアップロードできる。

IGTVはクリエイティビティ溢れる動画コンテンツのためのサービスであり、名前に"TV"を含むようにモバイル世代のTVを意識している。その点ではインターネット世代のTVのようになったYouTubeに対抗するサービスであり、さらにInstagramやSnapchatを好むモバイル世代にとって使いやすいサービスになっている。

  • IGTV

    アプリを開いたらすぐに視聴開始、スワイプとタップで次々に動画コンテンツを切り替えられる。

まず、点けたらすぐに見始められるTVのようにシンプルだ。アプリを開くと「おすすめ (For You)」または前回視聴していた動画の再生がすぐに始まる。そしてスワイプアップして現れる"他の動画"メニューで「おすすめ」「フォロー中」「人気」を切り替えながらザッピングしたり、クリエイターのアイコンをタップしてクリエイターの投稿にアクセスできる。検索機能も用意されているが、タップとスワイプで次々に切り替えられるスマートフォン世代向けのユーザーインターフェイスで動画コンテンツを楽しめるのがIGTVの特徴だ。

IGTVではクリエイターがTVのチャンネルの役割を担う。クリエイターは「チャンネルを作成」して、IGTVに動画をアップロードする。TVでは視聴者が好きなチャンネルに合わせて、そのチャンネルの番組を中心にTVを楽しむが、IGTVではクリエイターをInstagramでフォローすることで、そのクリエイターのチャンネルがIGTVに表示されるようになる。動画を視聴しながら、いいね!やコメントをつけたり、ダイレクト機能を通じて友達とシェアすることも可能。

議論を呼んでいるのが、動画が縦長に限られていること。横長の動画でもスマートフォンではユーザーの多くが端末を縦に持って視聴しており、主にスマートフォンで使われるサービスとして縦に持った時に大きく動画が表示される縦長に限定したと思われる。しかし、これまでの縦長動画のほとんどは短尺であり、縦長の長尺動画が受け入れられるかが議論になっている。

  • Instagram CEOのKevin Systrom氏

    IGTVを発表するInstagram CEOのKevin Systrom氏

Instagramはまた、IGTVの発表において、Instagramの月間アクティブユーザー数が10億を突破したことも明らかにした。