自作PC業界において、数年前から流行しているのが強化ガラスを採用し、内部が見えるようになっているケースである。最近では、各社からRGB LEDファンが登場し、派手さはエスカレートする一方だ。今回のCOMPUTEXでも、強化ガラス採用ケースが多く出展されていたが、ちょっと変わった特徴的な製品も見られたので、ここで紹介しよう。

Thermaltake - 創立記念モデル「Level 20」に廉価版も

Thermaltakeは、同社の創立20周年を記念した特別モデル「Level 20」を展示していた。マザーボード、電源、ストレージを3つのボックスに分けて格納するのが特徴の大型ケース。当初、今年9月の発売を予定していたものの、アルミの曲げ加工が難しいらしく、年末以降にズレ込みそうとのこと。価格は10数万円程度の見込み。

  • 「Level 20」は昨年も展示していた。あまり変わっていないように見える

そしてLevel 20のデザインを踏襲したバリエーションモデルとして、「Level 20 GT RGB」「Level 20 XT」「Level 20 VT」も登場する。これらはLevel 20の雰囲気を安く楽しみたい層に向け、価格はかなり抑えられる模様だ。

  • 左から「Level 20 VT」「Level 20 XT」「Level 20 GT RGB」

また、名称未定のプロトタイプも展示されていた。まだデザインは変わる可能性があるとのことだが、スッキリとしたシンプルな外観は日本向きではないだろうか。発売は来年で、価格は3万円以下の予定。

  • 名称未定のアルミケース。両サイドが強化ガラスになっている

Cooler Master - MasterCaseシリーズに初の静音モデル

Cooler Masterは、MasterCaseシリーズの新製品として「SL600M」を展示。このSL600Mは、MasterCaseでは初となる静音モデルだ。いわゆる煙突構造を採用しており、ボトム側に吸気用の20cmファンを2つ搭載、効率良く冷却を行う。電源をフロント側に垂直配置することで、ケース内のエアフローを妨げないよう配慮した。年末以降の発売を予定。

  • 静音モデルの「SL600M」。左サイドパネルのみ強化ガラスになっている

  • ボトムに大型ファンを搭載。グラフィックスカードの垂直配置にも対応する

  • ボトム側から吸気するため、底部のスペースはかなり空いている

  • フロントのI/Oパネルには、手を近づけると光るというギミックも

年内の発売を予定しているのは「MasterCase H500M」。4面が強化ガラスになったモデルで、より派手なライティングが可能だ。フロントにはRGBタイプの20cmファンを2つ搭載。トップ側に20cmファンを2つ追加することも可能だ。フロントはメッシュパネルに交換して、冷却性能を強化することもできる。価格は3万円台になる見込み。

  • 「H500M」のデモ機。トップ側にもRGBファンを追加するとかなり派手だ

Antec - あの定番ケース「P100」の後継モデルが登場

Antecは、COMPUTEX会場そばのプライベートルームで新製品を展示。そこで注目したいのが、「Project X」(仮称)として紹介されていたオープンケースだ。なんでも、アイアンマンやガンダムなどが好きな同社の担当者がデザインしたとのことで、従来のAntecケースとは一線を画したメカっぽい外観が特徴的だ。

  • このお姉さんはちょうどお昼休憩に入るところだったのだが、快く撮影に応じてくれた。私服姿のコンパニオンさんはかえって貴重

マザーボードはATXまで対応。ドライブベイは、3.5インチ×1、2.5インチ×2となるようだ。ラジエータは、フロントとトップにそれぞれ36cmサイズまで搭載できる。発売は第4四半期の予定。価格は未定だが「ちょっと高くなる」(担当者)とのこと。

  • 外装はアルミ製。CNCで切り出して、手作業で曲げ加工しているそうだ

そして定番ケース「P100」の後継モデルとして登場するのが「P100 EVO」だ。日本で根強い需要がある5インチベイを引き続き搭載。8つの3.5/2.5インチベイを備えるなど、拡張性の高さも従来と同様だ。ラジエータはフロントに36cmまで搭載可能。第4四半期の発売予定となっており、価格は13,000円程度になる見込みだ。

  • かなり今風になった「P100 EVO」の内部。フロントドアはもちろん装備

  • 電源の上下の向きを変えられるよう、固定が別パーツになっている

Corsair - デュアルシステムが可能な巨大タワー

Corsairもプライベートルームで新製品を紹介していた。まず「Crystal 280X RGB」は、デュアルチャンバーのmicroATXケース。左半分は3面が強化ガラスになっており、フロントには12cmのRGBファンを2つ搭載。電源やドライブは右半分に隠すことで、コンパクトながら最長30cmのグラフィックスカードの搭載が可能だ。7月ころの発売予定。

  • 「Crystal 280X RGB」のデモ機。ホワイトのほかブラックも用意される

またハイエンドのスーパータワーとして「Obsidian 1000D」が登場予定。E-ATXとMini-ITXのデュアルシステムが搭載可能で、ゲームをしながらストリーミングを楽しむようなことができる。ただ、サイズはかなり大きく(697×693×307mm)、設置場所は選ぶことになりそうだ。こちらも発売は7月の予定。

  • 「Obsidian 1000D」。フロントには12cmファンが4×2=8個も搭載可能

  • リア側から見ると、デュアルシステムであることが良く分かる