最後にmacOSの登場だ。OS X 10.9”Mavericks”からスタートしたカリフォルニア地名シリーズも、山を使い果たしてしまってついに「砂漠」になってしまった。会場が盛り上がったのはUIが暗くなる「ダークモード」の追加が発表されたときだった。個人的にはあまり魅力を感じないのだが、確かに長時間細かい文字を読む際などには便利かもしれない。

  • ダークモードは確かに格好いいのだが、視認性という点ではどうなのだろうか? デスクトップのアイコンスタックは使い勝手が良さそうだ

個人的にヒットした機能は、iPhoneのカメラを利用できる「Continuity Camera」。こういったApple製品同士の連携はもっと強化して便利に使えるようにしてほしい。ちなみに、撮影した書類の写真を四角く成形する機能は現行のiOS 11でも利用できるのだが、あまり知られていないようだ。

また、ネットでは以前より「iOSとmacOSの統合が行われる」という噂が流れていたが、これに対して明確に「No」が突きつけられたのも興味深い。にも関わらず、iOSの「UIKit」とmacOSの「AppKit」を徐々に統合し、macOS用アプリにUIKitの一部を利用できるようにしていこうという動き自体は肯定され、正式に発表されたからだ。

  • 噂では「マジパン」プロジェクトとして、iOSとmacOSの双方で動作するアプリの技術として流れていた

実はApple純正の「写真」アプリは、iOSでもmacOSでも動作する「UXKit」というプライベートフレームワークを元に作られており、アップルが発表した「AppKitとUIKitの融合」はこれに近い形をとるのではないかと思われる。このメリットは、一度開発すればMacとiOSの双方にアプリを供給しやすくなることだ。Macはアプリの数を大幅に増やすことができ、iOSは苦手とする大量入力や細かい作業をMac上のアプリに(Continuityなどで)引き渡して作業を継続できる。開発者にとっては双方に向けて開発する手間も省けるため、予想の方向性としてはあながち間違っていないと思うが、いかがだろうか。