パナソニックは、2018年5月30日、アナリストを対象にした「Panasonic IR Day 2018」を開催。そのなかで、パナソニック入りしてから1年を経過した前日本マイクロソフト会長であり、現在、コネクティッドソリューションズ社の社長を務める樋口泰行氏が、この1年の成果について振り返った。
「昨年、25年ぶりにパナソニックに戻り、既存ビジネスにモメンタム(勢い)をつけて、正しいことを正しくやるということに注力してきた。その一環として、コネクティッドソリューションズ社の本社機能を東京に移し、同時に組織の活性化を図ってきた。また、今後のビジョンや、将来の姿を考えてきた1年でもあった。顧客接点の最大化や、カルチャーおよびマインドの健全化、風土改革を並行して行ってきた。こうした経験をもとに、持続可能な収益体質を確立するための一歩を踏み出すのが、2018年度になる」と位置づけた。
東京移転で顧客の訪問数が増加
2017年10月に、本社機能を大阪から東京に移したことで、顧客の訪問数は2.7倍に増加。社長室を廃止し、部門を超えたフリーアドレスを採用したことや、ビジネスチャットの活用を積極化したことで、社内外とのコミュニケーションが活性化したという。
「これまでやってきたことは、26年前に、私がパナソニックを辞めた理由を排除するような取り組みともいえる。これによって、いい会社にしていきたい」とし、「会社は歴史を積み重ねると、足し算のように内向きの仕事が増える。その分、外に攻める時間が減る。週報を無くし、馬鹿らしいと思うことはすべて止めた。こうしたことをしているうちに、社員自らが変革しなくてはいけないという意識を持つようになった。これを逃したら二度と変わるチャンスがないという意識も出てきた。2018年度もこの勢いで、各事業を伸ばしていくことになる」などと語り、社員マインドの変化をはじめとした、この1年間の変化の様子を示して見せた。