ソニーの基幹ビジネスのひとつに成長した半導体事業は、AIやIoT、自動運転のキーデバイスとして期待されるCMOSイメージセンサーの研究開発環境を整備していく。さらにブランドのポジショニング強化を図る戦略も打ち出された。吉田氏は「CCDの時代から当社が培ってきたアナログの技術が競争力の源泉にある。イメージングのNo.1ポジションを堅持しながら、今後はセンシングでもグローバルNo.1を目標としていきたい」と、競争を戦い抜くための基本戦略を説いた。

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    自動運転車の基幹デバイスとなるCMOSイメージングセンサーはグローバルNo.1ポジションを目指す

直近の3年間では営業キャッシュフローを最重視しながら、金融分野を除いて2兆円以上のキャッシュ創出を目指す。長期的な利益を視野に入れた設備投資も積極的に行う。創出されたキャッシュのうち、約1兆円は設備投資に支出する。その中のすべてではないが、多くがCMOSイメージングセンサーに配分されるという。

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    イメージセンサーを中心とする設備投資にキャッシュフローを投入する

「この分野でソニーはいま高いポジションにいるわけではない。今後は当社が培ってきた技術を活かして、自動運転をはじめ様々な分野に社会貢献をしていきたい」と吉田氏は戦略の骨組みを説明する。

残る1兆円についてはコンテンツIPの拡充、R&Dなど戦略投資や財務体質の強化、株主還元に割り当てられるという。連結株主資本利益率は10%以上の水準をキープしていく考えだ。吉田氏は「創出されたキャッシュフローを適切に配分して、堅実な成長を遂げていきたい」と抱負を述べた。