働き方改革という言葉が当たり前に使われるようになった。そもそもは、働き過ぎといわれる日本人の健康を考え、ノー残業デーを設定したり、有給休暇取得を推奨したりすることから始まった。
だが、ここ2~3年、潮目が変わってきた。多様化するワーキングスタイル合わせた“働き場所”を提供するサービスが増えてきたのだ。たとえば最近注目されている「アクティビティ・ベースド・ワーキング」(ABW)。これは、自席が用意されているが、コワーキングスペースなどがオフィス内にあり、通話や調べ物は自席で、プレゼン資料作成などで集中したいときはコワーキングスペースで働くという仕組み。アメリカやオーストラリアの企業で採り入れられており、日本もこうしたオフィスが増えるとみられている。
一方、会社以外の働き場所を提供するサービスも増えている。こうしたサービスはデベロッパーが積極的に取り組んでおり、時間貸しのようなオフィスが増えている。会社のオフィスだけでなく、出先や出張の帰りにこうしたオフィスを利用し、仕事をする。また、地方の事業所から都市圏に出なくてはならない際に、こうしたオフィスを利用して仕事をするという例が目立ってきた。
全国30拠点をオフィスとして利用可能
大手デベロッパー、三井不動産もこうした需要に応えるサービスを開始した。昨年4月から開始した「ワークスタイリングSHARE」がそれだ。10分300円という価格でオフィスを利用でき、通信環境やコピー機といった機材を利用できる。これまで、会社以外の場所で仕事をするには、喫茶店やファミレスを利用することが多かった。だが、通信環境が整っていないことが多く、しかも家族連れや学生の会話により、集中できないというジレンマがあった。ところが、こうした貸しオフィスならば、そうした心配は少ない。そして全国30拠点が利用でき、出張時のオフィスとして使える。
三井不動産は、こうしたニーズに応えるために、ワークスタイリングSHAREやワークスタイリングFLEXというサービスを展開してきた。それに加え、ワークスタイリングSTAYというサービスを5月31日から開始する。STAYというネーミングからもわかるとおり、ビジネスパーソンに泊まる場所を提供するサービスだ。