日商エレクトロニクスは5月14日、個人情報などのセンシティブなデータを扱う金融機関などに向けて「VMware Horizon Cloud on Microsoft Azure」(Horizon Cloud on Azure)と、閉域網を活用したリモートアクセスサービスを組み合わせた「セキュアクラウドVDIソリューション」の提供を開始した。

今回、同社ではMicrosoftのパブリッククラウド「Microsoft Azure」を基盤としたソリューションを強化し「セキュアクラウドVDIソリューション」をリリース。

第1弾では、Azureに展開されるHorizon Cloud on Azure、インターネットを使用せずにAzureに接続できるエッジデバイス向けのAzure閉域SIMサービス、Azureと企業間をダイレクトに接続するAzure ExpressRoute、クラウドインテグレーションサービスで構成されている。

クラウドインテグレーションサービスでは「アセスメントサービス」「Horizon Cloud on Azure + Azure ExpressRouteフィジビリティスタディサービス」「Azureネットワーク導入サービス」「セキュアクラウドVDI導入サービス」「カスタマーサクセスサービス」の5つを提供する。

アセスメントサービスは、Horizon Cloud on Azure + Azure ExpressRoute導入前に、これまで培ったノウハウにより、既存クライアント環境をアセスメントし、VDI化に必要なリソースの洗い出し、移行の課題、移行案、移行後の課題回避方法について提示。

Horizon Cloud on Azure + Azure ExpressRouteフィジビリティスタディサービスは、アセスメントの結果や顧客のビジネスゴールがクラウドVDIで実現できるかを同社のインフラを利用して確認するサービス。検証センターで、Azure ExpressRouteやHorizon Cloud on Azureを実際に利用し、使用感やアプリケーションの互換性、成果が得られるかをエンジニアと確認するという。

Azureネットワーク導入サービスは、Azure ExpressRouteや閉域SIMの設計、導入、サポートを提供し、閉域SIMはドコモ網を利用した閉域サービスとなっており、エッジの端末をAzureに接続することが可能。インターネットを介さないためネットワークを介した標的型攻撃などを受けることがなく、セキュリティの向上とともに柔軟性のあるテレワーク環境を提供することを可能としている。

セキュアクラウドVDI導入サービスは、Azure上でのHorizon Cloud on Azure導入の設計、構築、運用設計支援を提供するサービス。構築だけでなく、導入後の運用面までを意識した設計、アウトプットを提供する。

カスタマーサクセスサービスは、システム導入後のワンストップ窓口だけでなく、顧客専任のアカウントマネージャーによる継続的な対応により、ビジネスゴール到達をサポート。障害時のサポートに加え、ビジネスゴールを実現するための運用支援や追加のチューニング、コンサルを実施する。

今後、日商エレクトロニクスではクラウド化の要望に対応し、クラウド関連ソリューションへの積極投資と、技術者の育成を図るとしている。また、企業のテレワーク実現を支援するためテレワークソリューションの拡充を行い、導入コンサルティングサービスやインテグレーションサービスなどを順次リリースし、金融機関だけでなくエンタープライズ市場のデジタルトランスフォーメーションによるテレワークプロジェクトの実現するという。

さらに、技術的な知見を得るため、4月に国内初の実績としてHorizon Cloud on Azureを自社システムに導入しており、VMwareと共同で検証を行い、今後は技術資料や検証レポートとして公開する予定だ。