東北大学と国際航業、エイツー、日本電気(NEC)は共同で開発した「リアルタイム津波浸水・被害推定システム」の技術を中核とした大学発ベンチャー「株式会社RTi-cast(アール ティ アイ キャスト)」を共同で設立したことを発表した。

NECのスーパーコンピュータ「SX-ACE」

NECのスーパーコンピュータ「SX-ACE」

「リアルタイム津波浸水・被害推定システム」は、津波の浸水による被害推定を、スーパーコンピュータを用いてリアルタイムに行う世界最先端のシステム。科学技術振興機構(JST)戦略的創造研究推進事業(CREST)の「大規模・高分解能数値シミュレーションの連携とデータ同化による革新的地震・津波減災ビッグデータ解析基盤の創出」における基礎研究および産学連携研究を経て開発されたもので、2014年の総務省「G空間シティ構築事業」で実証され、2017年11月より内閣府での運用が始まっており、東北大学(仙台)と大阪大学(大阪)の2拠点でNECのスーパーコンピュータ「SX-ACE」が使用されている。

RTi-castは、産学連携研究の成果である「リアルタイム津波浸水被害推定技術」を日本国内・世界に広く普及し、巨大地震津波災害への社会のレジリエンス(=被害を最小化して素早く回復する)の向上に貢献することをミッションとして、日本発の「リアルタイム津波浸水被害推定技術」を発展させるとともに、その製品化、情報提供サービス、コンサルティング等を展開し、顧客や社会との結びつきを通じて、将来の災害から「生き延びる」、「素早く立ち直る」社会の実現に向けた活動を展開していく。