会場ではIoTをメンタルヘルスに活かそうというユニークなデバイスも出展されていました。
スマホをタップすると遠隔地の鳩時計がお知らせ
思いを届けるをコンセプトに開発された鳩時計「OQTA(オクタ)」は、アプリからボタンをタップすると鳩時計が鳴いて相手に思いを伝えられるというシンプルなIoTデバイスです。メールや電話ではなく簡単に思いを伝えられるという点が人気を集め、クラウドファウンディングのMakuakeで600%を越える支援金を獲得しています。あたたかみのある木製の置き時計は1台ずつ手作りされていて最大8人が登録でき、執筆時点では27,000円(税込)コースに応募できます。
ゲーム感覚で体を動かせるVRトレーニング
デジタルヘルス分野ではVRの活用も進んでいます。mediVRが開発中のリハビリ専用プログラム「mediVR-01」は、ヘッドマウントディスプレイと両手のコントローラを使い、ゲーム感覚で毎日トレーニングができるシステム。メニューをシンプルにすることでお年寄りでも無理なく、周りを気にせず集中して利用できるのが特徴で、実証実験でも問題なく効果が得られることがわかっているといいます。実際の導入時には機器をもう少し使いやすくし、目的にあわせてコンテンツもカスタマイズする予定です。
ロボットと一緒に治療の知識をゲット!
韓国のJSC Gamesでは、入院している子どもの患者のストレスを減らす認知行動テラピーを取り入れたMedical VRを開発。カーボットというキャラクターと一緒に手術室を探検しながら手術や治療の知識をゲーミフィケーションで学ぶというもので、韓国の病院ですでに導入され、効果も出ているとのことでした。
他にも会場では、睡眠状態やストレス値を可視化したり、病気を予防する未病のためにITを活用するアイデアが多数紹介されていました。医療費の削減や現場の人手不足を解消する手段として、最先端のスマート技術やデバイスを導入する動きは国や自治体でも活発になっています。また、この2018年4月からインターネット経由で医師が診察する「オンライン診療」に健康保険が使えるようになったこともあり、今後はデジタルヘルス市場全体がますます活発になることが期待されそうです。