KDDIは5日、新社長に就任した高橋誠氏の社長就任会見を開催した。今後の目指すべき姿として「ワクワクを提案し続ける会社」という言葉で表現。新体制のもと、KDDIが大きく変わっていくかもしれない。
変わるスローガン
KDDIはこれまで「ライフデザイン企業への変革」というスローガンを掲げてきた。しかし、漠然としたイメージが強く、社内からは通信からEコマースや電力事業に移行してしまうのか、といった疑問の声があがり、社外からも「そもそもライフデザインとは何か?」といった声も聞こえてきたという。
ライフデザインのイメージについて高橋社長も「Eコマース、金融、エネルギー、教育という言葉で表現され少し無機質な感じがしていた」話す。そこで目指すべき姿として「ライフデザイン企業への変革」ではなく「通信とライフデザインの融合」を事業のベースにし、ライフデザインを「ライフデザイン=生活を楽しくすること=お客様体験価値」と置き換え表現した。
そして、顧客とともに顧客視点でサービスを考案し、KDDI単独もしくはパートナー企業とともに新たな価値の創造と提供を図ろうという考えだ。
こうした価値観をまとめると、事業の中心軸に「通信」「お客さま」があり、金融、エンタテインメント、教育、エネルギー、コマースなどの様々な分野に、生活を楽しくする体験価値を提供していくという流れだ。
中心軸に据えた「お客さま」については一歩踏み込んでおきたい。顧客視点でサービスを開発していくために、KDDIではビッグデータの活用を顧客理解にあてていくという。5G、AI、IoTといった新技術を用いてサービス展開をするにあたっても、顧客が何を求めているのかがわからなければ、サービスを提供しても響かないからだ。
「最新技術をどう体験価値に返還するのかが勝負所。5GやAIという言葉から入るとプロダクトアウト的な感じがする。簡単なことではないが、体験価値を届けていきたい」
これら一連の考えをまとめてワンフレーズにしたスローガンが「"ワクワクを提案し続ける会社"へ」というわけである。