説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『Apple TV以外の映像機器にAirPlayできますか?』という質問に答えます。
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iPhoneの映像をAirPlayでワイヤレス出力するためには、"原則として"Apple TVが欠かせません。理由は単純で、AirPlayはApple独自の(プロプライエタリな)技術であり、その仕様が一般公開されていないことはもちろん、他社にライセンス供与されていないためです。
そもそもAirPlayは音声信号だけを扱うもので、当初は「AirTunes」と呼ばれていました。その後映像も扱えるよう拡張されるタイミングでAirPlayに名称変更され、オーディオメーカーに音声信号のみを扱う技術仕様がライセンスされるようになったものの、映像を扱うAirPlayはApple TVにしか搭載されないまま現在に至ります。だから"AirPlay対応"をうたうオーディオ機器はたくさんありますが、映像信号を扱える製品は基本的にApple TVだけです。
しかし、AirPlayの基本的な技術仕様は解析が進み、いまや"AirPlay互換"をうたうサードパーティー製アプリも存在します。Appleによる正式なライセンスは受けていないため、App Storeで扱うiOS/macOS用アプリが登場することはなさそうですが、AndroidアプリストアにはiPhoneやMacからAirPlayで映像信号を受信できるアプリが複数公開されています。
もっとも、それらのアプリはAirPlay完全互換ではありません。iPhoneの画面をそのまま転送する「画面ミラーリング」は利用できても、コマ落ちによりカクカクとした動きとなるなど、完成度でApple TVに見劣りします。VODの映像など著作権保護されたコンテンツはまったく再生できません。AirPlayの仕様はときどき見直されるため、iOSのバージョンアップにより動作しなくなるケースも見受けられます。こと映像に関していえば、Apple TV以外のAirPlay対応製品/アプリは基本的にありえない、と考えていいでしょう。
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AirPlayの映像信号を完全な状態で受信/再生できるのは、現在のところApple TVだけです
