2017年10月に公式アプリ「FRESA CLUBアプリ」をリリースした相鉄フレッサイン。同アプリは宿泊予約やチェックイン機能などを備えているが、11月にオープンした上野御徒町店では、同アプリを用いて、スマートフォンで客室ドアの開錠が行える。今回、上野御徒町店でスマホアプリの操作を体験するとともに、導入の背景や効果などを聞いてきた。

ICTの活用でホテル業務の効率化と改善を

公式アプリを導入しようとした背景について、相鉄ホテルマネジメント マーケティング営業本部 セールス・マーケティング部 マーケティング担当課長 木曽英貴氏は次のように語る。

「もともと、ICTを活用して、業務の効率化や改善を図ろうという計画がありました。そこに、上野御徒町店のオープンの話が重なり、スマートフォンアプリを開発しようということになりました」

同アプリは、相鉄フレッサインの公式サイトと連携している。公式サイトから予約した同アプリのユーザーは双方の特典を受けることができる。

例えば、公式サイトで予約すると、1泊ごとに毎回1室500円のキャッシュバックを受けることができる(一部プランを除く)。一方、アプリでは1泊につきスタンプが1つもらえるのだが、10泊ごとに5000円のキャッシュバックを受けられる(一部プランを除く)。両方の特典を合わせると、10泊で1万円のキャッシュバックを受けられるというわけだ(一部プランを除く)。

同アプリは宿泊予約、スマートフォンによるチェックイン/チェックアウト、スタンプカード、スマートフォンによるルームキー、ランクアップ制度、クーポン配信といった機能を備えている。

同アプリの目玉と言える機能が、スマートフォンがルームキーの役割を果たす「スマートキー」だ。このアプリは、ホテル内のエレベーターや客室のドア錠で対応可能となるため、今のところ、オープンしたばかりの上野御徒町店でのみ利用可能な機能となっている。

スマートキーで宿泊客の利便性向上を

木曽氏は、スマートキーを導入した第一の理由として、チェックイン時の処理の効率化の向上を挙げる。大抵のホテルでは、宿泊客のチェックインとチェックアウトが集中する時間帯があり、その時は宿泊客に待たせてしまうことがある。そこで、チェックイン時の課題解決に向けて、ITを活用としたわけだ。

加えて、客室の鍵は、金属製の鍵や非接触型のカードキーなど、複数の種類があるが、滞在中は持ち運ぶ必要がある。そのため、いくつかの問題が生じる。

紛失もさることながら、カードキーの場合、防犯のために部屋番号が書かれていないが、それゆえ、部屋番号を忘れてしまう人もいるそうだ。部屋番号を忘れたらフロントに尋ねることになるが、部屋番号を教えてもらうには、自分が正当な宿泊客であることを証明しなければならない。なんとも厄介である。

そこで、宿泊客が携行しているスマートフォンを客室の鍵に仕立てることにしたというわけだ。「スマートフォンが普及したことに加え、スマートフォンの利用者は常に持ち歩いています。それなら、スマートフォンを客室の鍵にすれば、便利になるのではないかと考えました。そして、スマートキーの便利さを体験いただき、リピーターになっていただくきっかけとなればと思っております」と木曽氏はいう。

  • チェックインをする際、まずはフロントでスマホアプリをタッチする

  • 次に、セルフチェックイン端末でチェックインの処理を行う

  • ルームキーは、カードキーとスマートキーを選択できる。スマートキーを選ぶと、アプリに対しルームキーが割り当てられる

  • エレベーターに乗る時も、ルームキーをかざす必要がある。ルームキーを持っていなければ、エレベーターには乗れない

  • 部屋に入る時は、スマートキーをかざすと鍵が開く

  • アプリでチェックアウトすると、スタンプが加算される