各チーム紹介

前橋大会では、7チーム合計26名が参加した。参加者にスキルアップの機会を提供するハッカソンということで、大半がハッカソン未経験者や開発経験の浅いメンバーが多かった。

ハッカソンの作業が始まって目を引いたのは、若手エンジニア向けスキルアップのハッカソンらしく学生チューター以外に運営関係者もメンターとして加わり、積極的に参加者からの質問やトラブルに手厚く対応していたことである。なかには、イベント主催の運営委員長のKDDI高木悟氏やWebDINO Japanの代表理事・瀧田佐登子氏がみずから作業に勤しむ姿が見受けられた。

  • 図5 はんだ付けを教える高木氏

  • 図6 瀧田氏が参加者を手伝う

では、非常に簡単ではあるが、各チームの作品を紹介したい。まずは、Team A:生徒の味方の、API実装型授業高質化である。

  • 図7 Team A、作成風景

授業の進行速度が合わないとき、生徒から直接、先生へ伝えるシステムである。生徒は、フットペダルを踏むことで、速すぎるや遅いといった感想を伝える。先生側は、PC画面だけでなく、LEDディスプレイでイメージ的にその情報を受け取ることができる。残念ながら、カメラが壊れデモはできなかったが、emotionAPIを使い、生徒の表情から授業の感想をデータベースに送ることも目指した。

  • 図8 Team A、作品発表

チームの重森海斗氏は「予想しなかったことが起こったけれども、楽しかったです」とハッカソンの感想を語っていた。

Team B:あんぱんまんは、お知らせだるまくんと洗濯物を作成。

  • 図9 Team B、作成風景

洗濯物が乾いたことを、だるまが暴れながら「かわいた」としゃべることで、お知らせする。洗濯物が乾いたかどうかの判定は、圧力センサーで検知する(乾燥すると軽くなる)。だるまの中と、圧力を調べる装置にそれぞれRaspberry Pi 3が入っていて、WebSocketで通信する。だるまの暴れ方が、なんともユニークな作品であった。

  • 図10 Team B、作品発表

チームの古田樹男氏は、「最初はまったくわからない状態で参加したので不安でした。やり始めてみると、意外と最初の目標にしていたものに近づいてきたので、やってみるものだと思った」と、ここまでの感想を語ってくれた。

Team C:カーヴスは、センタクファイター vs 雨風を作成。

  • 図11 Team C、作成風景

群馬では強風や秋のにわか雨が多い。その対策としての作品が、センタクファイター vs 雨風である。センサーを使い、雨や風を感知する。雨が降ってきたり、風が強い場合は、モーターが作動し、洗濯物を室内に回収する。風雨が収まれば、また洗濯物を野外に出す。光センサーも搭載し、洗濯物を最適な角度に調整する機能も実装予定。

  • 図12 Team C、作品発表

Team Cからは、上原瑞歩氏にお話しをうかがった。「ぜんぜん、プログラムがうまくいかなくて、昨日は泣いてました。でも、ようやく一通り書き終わったので、ここから微調整をして、また泣くはめになるのかな。でも、良い経験ができたので、参加してよかったと思います。できなくて泣くのは悔しくて、なんとかできるようになりたい」と、非常に前向きな感想がいただけた。

Team D:前工大は、AQUA SENSORを作成。

  • 図13 Team D、作成風景

AQUA SENSORは、熱帯魚の水槽を監視するシステムである。赤外線センサーでは、水の汚れを感知する。それ以外に、温度、水位、pHセンサーを用いて、水槽の環境を測定する。これらのセンサーは、マイコンに接続され、無線LANを経由してRaspberry Pi 3に送信される。Raspberry Pi 3では、受信したデータを解析してホームページでグラフを表示させる。あらかじめ設定した値から外れると、警告を発する。

  • 図14 Team D、作品発表

Team Dでは、今村宏輝氏にお話しをうかがった。「今は、HPの微調整をしています。参加した感想は、とてもラフな感じで、緊張せずに自分の作りたいもの作れたと思います」と、語っていた。作品は、実用度の高い仕上がりになっていた。

Team E:繁盛感知!招き猫は、商売繁盛の縁起物である高崎の工芸品招き猫をモチーフとしたIoT作品である。

  • 図15 Team E、作成風景

Team Eでは、音に注目した。音を検知して、それに対し音を返すIoT作品を考えた。お店が賑わっていると、当然、さまざまな音が発生する。この作品では、そういった賑わう音をセンサーで検知して、「ニャー」と鳴く。

  • 図16 Team E、作品発表

Team Eでは、酒井優氏にハッカソンの感想をうかがった。「プログラミングを始めて6か月程度ですが、今までは画面の中で計算をしたり、写真を表示させるくらいでした。プログラミングでモノを動かす動的な部分にはふれてこなかった。今回は、プログラミングを使って音を感知して、それが音という動きになることが体感できたことが大きい。また、これまではんだ付けをやったことなかった。今回、そのスキルが身に付いてよかった」と語っていた。

Team F:チーム フィクサーは、見守りちょうちんクンを作成。

  • 図17 Team F、作成風景

チョウチンアンコウのぬいぐるみに、Webカメラ、マイク、スピーカー、サーボモーターを取り付けたRaspberry Piを内蔵する。目的は、子どもやペット、高齢者の様子をリアルタイムで閲覧(スマホやPC)し、場合によっては、記録として画像保存も可能とした。カメラはちょうちん部分に設置され、サーボモータで向きを変えることも可能。

  • 図18 Team F、作品発表

Team Fでは、和田健伍氏にお話しをうかがった。「あとはうまい具合に調整して、実際に動くかチェックすれば完成です。自分は、こういった開発をするのは初めてで、いろいろなものを受け取り、今後に活かせそうです」と、語っていた。

Team G:トゲアリトゲナシトゲトゲでは、ぐんまちゃん 2.0を作成。

  • 図19 Team G、作成風景

小さなぬいぐるみのなかに、人感センサー、カメラ、マイク、スピーカ、タッチセンサー、温度センサーなどを搭載した。これらのセンサーにより、話ができそうな人がくると、会話をすることができる。作品発表では、実際にぐんまちゃんの指示に従い、焼きまんじゅうを作るデモが披露された。

  • 図20 Team G、作品発表

Team Gでは、赤澤悠太氏にお話しをうかがった。「正直、進捗はあまり芳しくない。今回、初めての参加ですが、普段、ふれることのないものにふれることができたのはおもしろい、2日間、集中してできるのもよかった」とのこと。