辞めなければ熟度が上がるスタッフのサービスレベル
すかいらーくは2017年9月、ガスト全店(1,367店舗、2018年1月31日現在)でTeachme Bizを導入。まだ導入から日が浅いため、数値としてのデータが顕在化してはいないものの、従業員の満足度とともに、顧客の満足度も向上しつつあるという声は上がっているという。今後はグループの全ブランドに同システムを導入し、約3,000店舗で約10万人の従業員トレーニング体制を確立する構えだ。
当たり前のことだが、サービス業においてスタッフが定着するということは、そのスタッフが「熟練していく」ことと同義であり、それはサービスレベルの向上を意味する。マニュアルの改善で従業員の定着率が上がれば、サービスの品質も向上し、顧客満足度も高まるわけだ。
Teachme Bizの導入は、店舗マネージャーの負担軽減にもつながるだろう。スタッフの入れ変わりが激しいと、店舗では常に新人スタッフをゼロから教育しているような状況となり、教育を担う店舗マネージャーの負担も大きくなるからだ。
客にもスタッフにも選ばれる店になれるか
Teachme Bizによりスタッフの働き方、仕事の覚えやすさが改善すればスタッフが定着する。スタッフが定着すれば、店舗のサービスレベルが向上してリピーターを獲得できる。こんな流れをすかいらーくは狙っている。「サービス力を向上させるため、スタッフの習熟度を上げる。習熟度を上げるため、スタッフの定着率を上げる。今後は1年以内退職率を(現状の)60%から50%以下に引き下げることを目指したい」と金谷常務は目標を語る。
システムを導入することで、直接的にスタッフの出入りに影響があるかどうかを見るには、今後のスタッフ定着率をチェックしていくほかない。しかしながら、システムを導入することで、従業員が働きやすい環境を整備しようと会社が考え、実行しているとのメッセージになることは確かだ。今回のシステム導入により、すかいらーくが顧客にもスタッフにも選ばれる企業として進化を遂げられるかに注目したい。