Appleは2008年にMacBook Airを投入してから、シンプルで薄型のデバイスに対して「Air」というキーワードを使ってきたが、主となるデバイスにAirという名称を与えず、現在ではアクセサリを中心に、ワイヤレスという機能性を表現する単語として利用されるようになっている。

ただ、Appleはしばしば、製品名をリサイクルする。

MacBookは、「iBook」の後継としてIntel化されたスタンダードなノート型Macに名付けられたが、MacBook Air登場でしばらく不在となっていた。しかし、12インチRetinaディスプレイを搭載したモデルとして、2015年に復活した。そのiBookは、Appleの電子書籍プラットホームとして、Mac製品ではなくサービス部門のブランドとして復活を遂げている。

今後、MacBook AirやiPad Air、あるいはその他のAirと名付けられる製品が登場する可能性もないわけではない。ただし、再び我々がそうした製品を目にするとき、かつての製品とは全く異なる姿になっているだろうことは間違いない。

松村太郎(まつむらたろう)
1980年生まれ・米国カリフォルニア州バークレー在住のジャーナリスト・著者。慶應義塾大学政策・メディア研究科修士課程修了。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。近著に「LinkedInスタートブック」(日経BP刊)、「スマートフォン新時代」(NTT出版刊)、「ソーシャルラーニング入門」(日経BP刊)など。ウェブサイトはこちら / Twitter @taromatsumura