スマホやタブレットでは当たり前のようにつながるLTEも、多くのノートPCにはまだ搭載されていない。VAIOなど一部のノートPCを除いて、LTEを利用するにはモバイルWi-FiルーターやUSBモデムを併用する必要があった。
だが「働き方改革」や「テレワーク」への取り組みにより、仕事に使うPCを持ち運びたいという需要はますます高まっている。果たして2018年、ノートPCへのLTE搭載は進むのだろうか。
なかなか進まないノートPCへのLTE搭載
IDC Japanの調査では、2017年第3四半期の国内法人PC市場は前年比2.4%増と緩やかな拡大が続いている。2018年はWindows 7から10への移行需要が高まるため、堅調を維持しそうだ。
さらにPCメーカー各社が期待するのが「働き方改革」の本格化だ。テレワークの普及により、オフィスに据え置きのA4ノートPCから持ち出して利用しやすいモバイルPCへの置き換え需要が期待できる。その中で注目すべき機能が「LTE」対応だ。
いまやスマホやタブレットではLTE搭載が当たり前になっているにも関わらず、ノートPCや2-in-1などモバイルPCのLTE対応は遅れている。その理由として、これまでの需要の少なさや開発の困難さが挙げられる。
ノートPCでLTEのデータ通信を利用するには、一時的にスマホのテザリングを使う以外では、専用のモバイルWi-FiルーターやUSBモデムの契約が必要だった。しかしデータ用の回線を個人で契約するのは負担が大きい。一方、多くの企業では最近までノートPCが持ち出し禁止とされており、需要は限定的だった。
さらに、LTE搭載ノートPCの開発は決して容易ではない。モジュール自体は汎用のコンポーネントとして流通しているものの、製品化にあたっては設計ノウハウや検証環境が必要になる。日本ローカルの事情も考慮する必要があることから、海外メーカーは日本向けモデルでLTE搭載を断念することもあった。
それでもVAIOはこうした問題を1つ1つクリアすることでLTE搭載ノートPCを実現し、2017年9月発表のモデルではSIMカードを含めたソリューションを提供。企業のモバイル需要に応えると同時に、働き方改革を後押しする形にもなっている。
さらに2018年には、こうしたLTE搭載ノートPCの増加が期待される。特に注目したいのが、スマホやタブレットで定番のQualcomm製SoC「Snapdragon」を搭載したWindows PCの登場だ。