バンドマンたちのために、ソニーが、オンラインの録音スタジオをスマホアプリにしました。その名も「JAM STUDIO(ジャム・スタジオ)」。iOS版アプリから11月28日を皮切りにApp Storeで配信を開始します。対応するiOS機器はiOS 9以上、6/6 Plus以降のiPhoneとiPhone SE、iPad Pro、iPad Air 2にiPad mini 4になります。

JAM STUDIOは、複数のアマチュアミュージシャンが楽器を演奏した音源などをアップロードして、仮想の「オンライン録音スタジオ」に集まりながら自分たちの楽曲を手軽にスマホで製作できるユニークなアプリです。

  • JAM STUDIO(ジャム・スタジオ)

    JAM STUDIOの録音機能の画面。演奏をスマホだけで録音できます。アプリの録音開始ボタンをスマートウオッチからも操作できるようになってほしい!

開発したのは、テイラーメイドのカスタムイヤホンでお馴染みの「Just ear」を手がけるソニーエンジニアリング。同社が狙いを定めたターゲットは、なかなか楽器を弾く時間が取れない、ましてや仲間と集まって演奏できる機会もつくれない、働き盛り世代のアマチュアミュージシャンでした。

かつて一緒にバンドを組んでいた仲間たちも、今は地方に散り散り転勤になってしまったり、あるいはワーキングスタイルが異なっているため遊べる時間もすれ違い。「そんな音楽を愛する仲間たちが、気軽に集えるオンラインの遊び場をつくりたかったのです」と、ソニーエンジニアリングの開発担当者はコメントしています。

  • JAM STUDIO(ジャム・スタジオ)

    豊富なミキサー機能。コンプレッサーとイコライザーは有料で提供されます

アプリはシンプルな操作性を実現しています。JAM STUDIOではまず、自分の演奏をスマホだけで手軽に録音できます。ステレオ録音を最大8トラックまで。アプリのボタンを押して、1トラック最大10分までの音源が録れます。音量やパンニング(音像定位の調整)などエフェクト機能もアリ。演奏を間違えても、複数のテイクから一番よかったものだけを選んで保存・アップロードしたり、任意のA-B区間だけを録り直したりもできます。

JAM STUDIOのアーカイブに公開されている、ほかのユーザーが自身で歌ったり楽器を演奏した「ソング」を手もとにダウンロードしてから、自分の演奏を重ねて録音できる「コラボ機能」も用意されています。自分のパートを重ねた録音はアプリに新しいバージョンのソングとして投稿されます。

  • JAM STUDIO(ジャム・スタジオ)

    個人での楽曲製作も手軽に楽しく

アップロードできる音源はユーザーが自分で歌ったり、演奏した音源データに限られます。CDや配信音源など商品化されている録音済みのトラックなどはアップできないので注意です。カバー曲についてはソニーエンジニアリングが事前に利用許諾契約を締結したソングが公開されるほか、コラボ製作を楽しむためのサンプル曲についてはプロが演奏したトラックが提供される予定です。アプリのリリースと同時に、"スーパーギター少女"Li-sa-Xが演奏した曲もJAM STUDIOに登場します。

  • JAM STUDIO(ジャム・スタジオ)
  • JAM STUDIO(ジャム・スタジオ)

    バンド仲間をオンラインで募集したり、自分が弾けない楽器のスペシャリストと出会えます

自慢の楽曲や演奏が完成したら、できるだけ多くの人に聴いてもらえるようシェアしたくなるものです。JAM STUDIOにもシェアやコメント機能は用意されているのですが、当初はJAM STUDIOの登録ユーザーだけに公開されるクローズドなSNS機能が搭載されるようです。内容はアプリのホーム画面から「ギタリスト募集曲」「ビギナーズラウンジ」などのカテゴリーが派生して、ユーザーが参加したいコミュニティを選べるようなイメージです。ユーザーのフォロー機能やSNSによるコメントの交換なども可能になります。

  • JAM STUDIO(ジャム・スタジオ)

    有償で提供されるグループ機能

JAM STUDIOアプリはいくらで提供されるのかも興味深いところですが、月額無料の「フリープラン」と、月額580円(税込)の「スタンダードプラン」があります(1カ月の無料お試し期間あり)。スタンダードプランでは、トラックに味付けできる「コンプレッサー」、20種類の「イコライザー」を含むエフェクト機能、登録したメンバーだけで楽曲製作ができる専用スペースが提供されるグループ機能が使えます。また、アプリがローンチされた記念に、有料機能が6カ月無料で使えるキャンペーンが実施されます。

Android対応も含めて、JAM STUDIOがより大きなプラットフォームになるように、まずはみんなで楽器を手に取りながら期待を込めてアプリを使ってみてはいかがでしょうか。