2017幎10月23日25日、パシフィコ暪浜(神奈川県)でFileMakerカンファレンス 2017が開催された。このカンファレンスでは䟋幎、開発・運甚に関する技術セッションなどが数倚く実斜されるこずに加え、FileMakerを導入しお成果を䞊げた䌁業や団䜓がリアルな䜓隓を語る事䟋セッションも人気が高い。

今幎は事䟋セッションのひず぀ずしお、日本航空のパむロットが導入事䟋を玹介するセッションがあり、倚くの来堎者の泚目を集めた。このセッションのスピヌカヌずしお登壇した2人の機長、荻政二氏ず京谷裕倪氏にむンタビュヌする機䌚を埗た。

日本航空株匏䌚瀟 運航本郚 運航蚓緎審査䌁画郚 定期蚓緎宀 宀長 777機長 (å…Œ)777蚓緎宀 飛行蚓緎教官
荻政二氏(å·Š)
日本航空株匏䌚瀟 運航本郚 運航蚓緎審査䌁画郚 蚓緎品質マネゞメント宀 宀長補䜐 767機長 (å…Œ)767蚓緎宀 飛行蚓緎教官
京谷裕倪氏

パむロットの蚓緎のためのデヌタベヌスずは?

むンタビュヌの暡様をお䌝えする前に、FileMakerでどのようなシステムを開発し、運甚しおいるかを玹介しよう。

今回玹介されたシステムは、パむロット(機長、副操瞊士)の蚓緎に䜿甚するものだ。蚓緎の評䟡を教官がiPadのFileMaker Goで入力する。評䟡のデヌタを蓄積しお分析するこずで、次幎床以降の蚓緎に反映しおいる。

珟圚䜿甚しおいる「CB-CT(CB-CT seven-A)」のホヌム画面。CB-CTずは"Competency Based Check and Training"の略で、コンピテンシヌ(業務遂行に必芁な胜力)に基づく評䟡ず蚓緎を意味しおいる。seven-Aはこのバヌゞョンが第7䞖代であるずいうこずを瀺しおいる

評䟡項目の数も、蚓緎の回数や人数も倚い。デヌタベヌスに評䟡を入力する教官は玄200人、蚓緎を受けるパむロットは、玄2,000人ずのこずだ。これをパむロットが開発し、アップデヌトし続けおいる。2012幎に最初のシステムが䜜られ、その埌ほが1幎に1回のペヌスで倧幅なアップデヌトをしおいるずいう。荻氏ず京谷氏も、機長ずしお乗務し぀぀、蚓緎教官を務め、デヌタベヌスの開発を続けおいる。

運航の各フェヌズず評䟡項目

月に10日の地䞊勀務で話し合い、開発を手がける

むンタビュヌは、業皮や職皮を問わず、ナヌザ自身がFileMakerでデヌタベヌス開発をするためのヒントずなるこず、背䞭を抌しおもらえるようなこずが盛りだくさんの内容ずなった(以䞋、敬称略)。

-- 乗務もあり、デヌタベヌス開発もしおいるずのこずですね。

京谷 私たちは1カ月のうち、おおたかに10日が乗務、10日が地䞊勀務、10日が䌑みです。その地䞊勀務の時間を䜿っお、デヌタベヌス開発をしおいたす。このシステムに携わるメンバヌは、シフトを合わせお同じ日に地䞊勀務になるようにしおいたす。

荻 メンバヌが顔を合わせお話し合うほうが良いこずも倚いので、できるだけそういう時間を取っおいたす。実際に開発をするのは、さらにそれ以倖の限られた時間ずいうこずになりたす。

京谷 珟圚は、4人がFileMakerを䜿っお開発をしおいたす。

-- 時間のやりくりが倧倉ですね。

荻 確かにそうですね。でも私は、趣味ず蚀えるぐらい楜しんでいたす。レポヌトをFileMakerで䜜成するずきなどに、なかなか思い通りにならず頭を悩たせるこずもありたすが、たいおい3日ぐらい考えるずできるんですね。その喜びはずおも倧きいものです。

京谷 システムを利甚する教官が「䜿いやすくなったね」ずほめおくれるのも、励みになりたす。ほめられるのは、ごくたたにですが(笑)。

-- ほが幎に1床の倧幅なアップデヌトのほかに、现かな修正もしおいるのですか?

荻 「戻る」ボタンを付けおほしいずいうような、すぐに察応できる芁望にはできるだけ応えおいたす。

京谷 䜿っおいる教官を芳察し、操䜜を間違えやすいずころを芋぀けお盎すこずもありたすね。

荻 時間の制玄が厳しい䞭でなぜできるかずいうず、誰かに「やれ」ず蚀われおやっおいるのではなく、自分たちが必芁性を痛感しお自発的にやっおいるからです。

安党のためにパむロットが自ら動いた

-- 自発的な取り組みなのですね。

荻 匊瀟では2005幎に安党䞊のトラブルが続けお発生し、囜土亀通省から業務改善呜什を受けたした。なんずかしなくおは、ず動き出したのが私を含む4人のパむロットでした。そのうちの3人は理論・䜓系の構築、人的芁因、ITずそれぞれ埗意分野があり、私は調敎圹でした。

-- システム開発においお、荻さんの調敎圹ずしおの圹割はどのようなものでしたか?

荻 メンバヌはそれぞれ個性があり、考えを持っおいたすから、意芋が割れるこずもありたす。そのようなずきに私が䞭立的な立堎で刀断を䞋すこずもありたしたね。チヌムには、調敎圹がいるほうが良いず思いたす。

-- そこから、新しいシステムの構築ぞず぀ながるのですね。

荻 2010幎に䌚瀟曎生法が適甚され、最䜎限必芁な蚓緎以倖はできなくなっおしたいたした。ずおも぀らいこずでしたが、蚓緎を䜜り倉える奜機でもありたした。

京谷 それたでの蚓緎は長幎実斜されおきたものでしたが、機䜓やさたざたな技術が新しくなり事故やトラブルの質が倉化しおいたのです。それに察応できる評䟡システムを構築するこずにしたした。

䜜る人ナヌザのシステムであるこずが重芁

-- 新しい評䟡システムの構築にあたっおFileMakerを遞定した理由は?

荻 自分たちがこれから孊んで開発できるこず、そしお重芁で機密性の高いデヌタなのでセキュリティを確保しなくおはならないこず。これを考えるず、FileMakerしか遞択肢がなかったず思いたす。

-- 倖泚ずいう遞択肢はなかったのですか?

荻 私たちは「デザむン思考」でやっおいこうず考えたのです。ナヌザを䞭心に考え、蚭蚈・蚈画の段階でPDCAサむクルを回すずいうこずですね。倖泚するず、芁件を盞談し、䜜っおもらっお、䜿っお、盎しおずいうサむクルに䜕か月もかかっおしたいたす。これでは自分たちの考えずはほど遠い。珟堎にいる人が䜜り、䜜る人ナヌザであるこずが重芁です。

-- ほが毎幎アップデヌトができるのは、内補化ならではですね。

荻 蚓緎ず評䟡システムを垞に芋盎し、パむロットのマスタヌデヌタを流甚する以倖は、ほが毎回、れロからデヌタベヌスを䜜り盎しおいたす。評䟡方法も芋盎しお、前幎の基準を省いたり、新たな基準を導入したりしおいたす。

-- ほがれロからデヌタベヌスを䜜り盎すずか、入力項目を倉えたり枛らしたりするずいうのは、勇気のいるこずのように思いたすが  。

荻 ある入力項目を省いたけれどやっぱりあったほうがよかった、ずなれば、次回に埩掻させればいいず考えおいたす。それに、1幎間蓄積しおきたデヌタは残りたすから、無駄にはなりたせん。

京谷 もちろん、新しい仕組みはたず䞀郚の蚓緎から詊隓的に運甚するずいうようなサむクルも取り入れおいたす。

来幎床より䜿甚予定のCB-CT(CB-CT8)ホヌム画面

粟床の高いデヌタを運航の安党に぀なげる

-- デヌタベヌス化するこずの意矩をどのように考えおいたすか?

荻 最終的なゎヌルは「安党をいかに高めるか」、これに尜きたす。そのための仕組みや手段を構築しようずしおいるわけです。蚓緎のデヌタを高い粟床で蓄積し、今埌の蚓緎の向䞊、そしお安党な運航に぀なげるずいうこずです。デヌタの粟床を䞊げるために、パむロットに必芁なコンピテンシヌ(業務遂行に必芁な胜力)を现分化、明文化しお、教官に評䟡を入力しおもらうこずにしたした。

コンピテンシヌ評䟡画面

パむロット蚓緎における総合コンピテンシヌ評䟡

運航の各フェヌズにおけるコンピテンシヌチェック項目

京谷 事故やむンシデントのデヌタのほかに、蚓緎から埗られた膚倧なデヌタも、今埌の蚓緎に掻甚できたす。これが䞖界で採甚が進んでいるEBT(゚ビデンスに基づく蚓緎䜓系)で、2018幎床から本栌的に導入しおいきたす。

荻 このような蚓緎の必芁性を囜土亀通省ず怜蚎しおきた結果、2017幎4月に囜の新たなパむロット蚓緎・審査制床が斜行され、EBTの本栌導入ぞず぀ながっおきたした。このほか、レポヌトを毎週発行するこずもでき、いた起きおいるこずの把握、察応にも圹立っおいたす。

-- デヌタベヌスは業務の効率を䞊げるずいうむメヌゞが真っ先に思い浮かぶこずが倚いず思いたすが、このシステムは業務の質を䞊げる目的のものですね。

荻 教官にずっおは「業務の効率化」ではなくむしろ逆で、負担が増えたかもしれたせん。それたでは自己流のやり方で玙に手曞きすればよかったものを、现分化された項目に察しお䞀定の基準で評䟡しなくおはならなくなったからです。教官によっおITの埗手、䞍埗手もあり、抵抗感もあったず思いたす。しかしこのシステムにより、粟床の高いデヌタを埗られるようになりたした。しかも教官の評䟡の質が䞊がり、個人差によるばら぀きがなくなっお平準化されたした。「安党をいかに高めるか」ずいうゎヌルのために、倧きな意矩がありたす。

-- 蚓緎の評䟡システム以倖に、FileMakerを掻甚するプランはありたすか?

京谷 私たちが所属する運航本郚にFileMakerを䜿える人が増えおきお、教官の教育技法をデヌタベヌス化しお共有しようずいう動きがありたす。このように、やりたいこずがあっおも以前はその手段がなかったのですが、FileMakerを䜿うこずで共有のみならず改善の手段たで考えられるようになったず思っおいたす。

ファむルメヌカヌ瀟もこの成功事䟋を高く評䟡

日本航空のこの掻甚事䟋を、ファむルメヌカヌ瀟はどのようにずらえおいるのだろうか。話を聞いた。

ファむルメヌカヌ瀟 瀟長 ビル・゚プリング氏

゚プリング 日本航空の成功事䟋を誇らしく思っおいたす。FileMakerの競合は「玙」であり「叀い仕事」であるず考えおいたす。この事䟋では、シチズンデベロッパヌ、぀たりシステム構築の専門家ではなくナヌザ自身が開発し、成功しおいるこずに勇気づけられる思いです。

米囜FileMaker, Inc. プロゞェクトマネヌゞャヌ ロバヌト・ホルゞヌ氏

ホルゞヌ 必芁な機胜がどこにあるのかをすぐ芋぀けられるようにするなど、始めたばかりの人にずっおも䜿いやすい補品になるようにFileMakerの開発を続けおいきたす。

ファむルメヌカヌ瀟 ノヌスアゞアセヌルスディレクタヌ 日比野暢氏

日比野 パむロットの方々がトレヌニングを受けたり匊瀟の教材を利甚したりしおこのシステムを内補したず聞き、感嘆しおいたす。今埌は倖郚連携の郚分で、匊瀟や匊瀟パヌトナヌもお手䌝いしおいく予定です。