米Appleが11月2日(現地時間)に発表した2017年度第4四半期(2017年7月~9月)決算は売上高、1株利益ともに市場の予想を上回った。9月に「iPhone 8」シリーズを発売したが、今年はもう1つ、iPhoneの再定義と呼べるような先進的な新製品「iPhone X」を11月3日に発売 (10月27日予約受け付け開始)する。iPhone需要が分散する影響で、9月期のiPhone販売台数が減少する可能性も指摘されていたが、販売台数・売上高ともに前年同期を上回った。また、サービスが売上高の過去最高を更新、ウエアラブル製品も好調だった。
7~9月期の売上高は525億7900万ドルで、前年同期比12%増。純利益は107億1400万ドルで同19%増、希薄化調整後の1株利益は2.07ドル。アナリストの予想平均は売上高507億ドル、1株利益1.87ドルだった。以下は9月期の製品別の販売台数と売上高(増減は前年同期比)。「その他の製品」は、Apple TV、Apple Watch、Beats製品、iPod、Appleブランドのアクセサリなどを含む。
- iPhone:販売台数4667万7000台(3%増)、売上高288億4600万(2%増)
- iPad:販売台数1032万6000台(11%増)、売上高48億3100万ドル(14%増)
- Mac:販売台数538万6000台(10%増)、売上高71億7000万ドル(25%増)
- サービス:売上高85億100万ドル(34%増)
- その他の製品:売上高32億3100万ドル(36%増)
「iPhone 8」と「iPhone 8 Plus」は、9月22日に発売されてからiPhoneシリーズで最も人気の高いモデルになった。しかしながら、より高価格なiPhone Xが避けられているわけではなく、同機種の予約注文も好調だという。懸念されているiPhone Xの製造ペースについて、Tim Cook氏 (CEO)は「順調」とコメントしたが、需要に供給が追いつく時期には言及しなかった。
iPadは前期に続いて販売台数が二桁の伸び。iOS 11でiPad Proの生産性を高める強化が行われたことで、ポストPCデバイスとしてiPadが再注目され始めた。
Macは、6月に行われたMacBook/MacBook Proのアップデートによってノート型が好調だった。売上高25%増は、四半期の売上高の伸びで過去最大。また2017年度通期で、Macの売上高が過去最高だった。
サービスは堅調なApp Storeに加えて、減速していた音楽事業がApple Musicによって成長を取り戻した。iCloudも二桁の伸びを記録。サービス事業全体で売上高がFortune 100にランクインできる規模に成長している。
Apple Watchは3四半期連続で販売台数が50%を超える伸びだった。AppleはApple WatchやAirPodsの販売台数を公表していないが、ウエアラブル製品の2017年度の売上高はFortune 500の400位以内にランクインできる規模だったという。