iPhone Xは、ディスプレイ上部中央が欠けており、ここにスピーカーやマイク、そしてFace IDを実現する赤外線プロジェクターとセンサーを追加したカメラシステム、TrueDepthカメラが備わっている。この部分を、センサーハウジングと呼んでいる。一般にはノッチ、日本では切り欠きといってもいいだろう。画面キャプチャをとってみるとわかるが、ソフトウェア上で、この切り欠きの部分も画像表示が行われていることになっており、単にディスプレイの画素がないだけ、という扱いだ。

写真アプリで全画面表示をした。センサーハウジング部分には画像は表示できないが、ソフトウェア上では表示されており、スクリーンキャプチャを撮るときちんとした四角い画像が得られる

iPhonee Xのホーム画面では、センサーハウジングの左側に時計と位置情報の表示、右側には電波強度や接続方式、そしてバッテリー残量のみが表示されている。とにかく上辺の半分以上の領域に表示できない部分があるため、表示内容は最小限になるよう、デザインされているのだ。例えば電池の残量表示には省電力モードにしても、残量表示を表示するスペースはなく、これまでのように電池表示が黄色くなるだけだ。また、充電中の表示も、従来、電池アイコンの外に表示されたが、iPhone Xでは電池表示の中に表示されるよう改められた。

もし、これまでのようにバッテリー残量を数字で見たかったり、接続している通信キャリアやBluetooth表示などを見たい場合は、センサーハウジングの右側を上から下にフリックし、コントロールセンターを表示する必要がある。が、1週間使って見た結果、わざわざコントロールセンターで情報を見るために表示させることはなかった。

iPhoneの最上部の情報表示部分は、バックグラウンドで動作しているナビゲーションなどの位置情報利用、音声録音、通話などを表示する役割もあった。これらが動作しているときは画面上部にそれぞれ青、赤、緑のバーが表示されてきた。この役割は、センサーハウジングの右側の時計の部分が担う。例えばマップでナビゲーション中にホーム画面に戻ると、時計の部分に青い位置情報アイコンが表示され、その後、時計の縁取りの色が青くなるしくみだ。録音中は赤いマイクアイコンが現れて赤い時計に、通話中は緑の通話アイコンが現れ緑の地形になる。ここをタップすれば、それぞれのアプリにジャンプできる。

ナビゲーションをしながら充電しているiPhone Xの画面。右上の時計の青いマークは、ナビが進行中であることを示し、タップするとマップアプリが開く。またスペースの関係で、これまで電池アイコンの外にあった充電中表示が、電池の中に配置された

センサーハウジングのため画面上部に全てのステイタスアイコンを収められない。そこでこれまでの画面上部の情報表示は、コントロールセンターの中に移された

また、充電を開始したり、フライトモードをONにしたりすると、ノッチの右側に大きなアイコンでアニメーションが現れる。すぐ消えてしまうので気づかないことも多いが、端末のステイタスに変化があった際、ノッチの右上部分のちょっとした演出が楽しかった。