2016年から登場しているソニーの高級レンズラインナップ「G Master」シリーズ。解像感とボケ味の両立を目指したもので、α7シリーズなどフルサイズセンサーを搭載したEマウント対応ボディを手にしたら、1本は欲しいグレードのレンズだ。
ご存じの通り、ソニーはミノルタのカメラ事業を引き継いだものの、カメラメーカーとしては後発である。しかし、フラッグシップモデル「α9」で攻勢の準備が整ったと判断したのか、ソニー・イメージング・プロ・サポート会員向けに体験会を開催するようになった。今回は「GMレンズ」をおさらいしつつ、体験会の様子をお届けしよう。
センサーだけではない! レンズも自社生産
体験会はソニーレンズに関するプレゼンテーションと、実際にスタジオでの撮影をしつつ、Eマウントボディとレンズの性能を体験するといった流れで行われた。
カメラメーカーとしてのソニーの強みが、イメージセンサーにあることは確かだが、画像処理エンジンの「BIONZ X」やレンズも自社で開発・生産している。カメラボディのコンセプトに合ったイメージセンサーを用意できる点、イメージセンサー開発のロードマップに合わせてレンズを開発していける点は、大きなアドバンテージといえるだろう。
たとえば、レンズのボケ感については、ソフトウェアによるシミュレーションを取り入れており、設計段階から高度に管理できているという。そのあたりは、GMレンズで撮影したデータをチェックしたことがあれば、概ね納得がいくはずだ。
ミラーレスカメラの場合、フォーカス精度は極めて高く、AF機構にはよりシビアな制御が求められる。たとえば、瞳AF機能。単純に対応ボタンを押下するだけなのだが、そこから被写体の瞳を追従する際の、細かいメカの動きは想像しやすいはずだ。AF制御の要となるアクチュエーターもソニーは自社で開発しており、ミクロンレベルでの制御に対応しているそうだ。アクチュエーターには、リングドライブSSMやダイレクトドライブSSM、リニアモーターがあり、レンズに応じて最適なものを採用するスタンスというのも解説された。
これらの解説、およびこれまでのファームウェアアップデート傾向から質問してみたのだが、レンズを製品としてリリースした後でも、(ソフトウェア制御によって) 解像感を調整することは不可能ではないという。ボケ味をある程度犠牲して、そのぶんパキパキ度をアップしたモードにカスタマイズできる可能性はあるかもしれない。
次ページからは、「FE 100mm F2.8 STF GM OSS」(SEL100F28GM)、「FE 85mm F1.4 GM」(SEL85F14GM)、「FE 70-200mm F2.8 GM OSS」(SEL70200GM)、「FE 16-35mm F2.8 GM」(SEL1635GM) をカンタンに紹介つつ、実際の撮影データを掲載していく。SEL2470GMについては、過去のレビュー記事を参照してほしい。