カメラを使った顔認識によって、相手に合わせた内容で話しかけ、登録した情報や地域に合わせたニュース、天気予報などを読み上げてくれる。スマートスピーカーやその上に乗っているAIアシスタントが言われたことの処理しかできないのに対し、自律的に情報を提示してくれるわけだ。「相手の行動を予測して事前に情報を提示する」ということであれば、Google NowやSiriのアプリ候補などが挙げられるが、ユーザー体験としてはそれを音声アシスタントで行うわけで、それらよりも一歩進んだことができるように見える。
完成度の高いAI処理
Xperia Hello!の頭脳部は「ソニーエージェントテクノロジー」と名付けられており、インプット部となるカメラやマイクからの信号処理部と、入力された言語の処理を行う部分、そして応答を生成し、インタフェースを動かすアウトプット部の3つに分かれている。Googleアシスタントや、AIロボット分野で提携しているLINEのClovaといったAIを使っているわけではなく、独自の技術のみで構成されているという。
肝心の応答生成はシナリオがデータベースに用意されているということだが、よく練られていると感じさせられた。ユーザーが特に発話などしていなくともHelloのほうから発話する機能も、適度に話題を散らしてやれば自然に感じられるだろう。
会場では「厳密にはAIではない」という説明を受けたのだが、ディープラーニングや機械学習ではないにせよ、Helloの応答処理自体は十分に人工知能的だと感じさせられる。そもそもAIとロボティクスの組み合わせは、AIBO以来ソニーが取り組んできたことであり、Helloは現時点での集大成といっていいだろう。