凸版印刷とシーエーシー(CAC)は10月17日、共同でブロックチェーンとAI、IoTを組み合わせたPoC(Proof of Concept)のサポート体制を構築したことを発表した。

PoCとは、新製品や新サービスの開発、また大規模な商業プロジェクトなどにおいて、新たな理論や技術の実用化の可否を検証するために実施するもの。製品・サービスのデジタル改革実現を、コンサルティングからシステム開発、結果検証までトータルソリューションで支援するPoCサポートサービスを、まずは金融機関向けに2017年11月から提供開始する。基本料金は300万円~。

CACが持つブロックチェーン技術やAI技術と、凸版印刷が持つIoT技術を融合させ、さらに両社がそれぞれ培ってきた金融機関向けソリューションやID管理、マーケティングでの知見を活かし、企業のデジタルトランスフォーメーション推進をサポートする。

現在、CAC社内で実証実験中のブロックチェーンを用いた仮想通貨システムを汎用的なトークンエコノミーシステムとして様々なユースケースへ応用する一環で、P2P保険のシステム開発を進めている。このシステムを用いることにより、信頼できる加入者同士でお互いに保険金支払いが発生する可能性のあるリスク行動を減少させ、保険が使われなければ翌年度の保険料が大幅にディスカウントされるなど、保険会社と加入者双方へのメリットが期待できるという。

P2P保険の実証スキーム

またこのシステムでは、P2P保険へブロックチェーン、スマートコントラクトの仕組みを適用することにより、各保険グループの持つ保険リスク情報を各保険会社・仲介会社間で共有するとともに、共有したくないデータは特定会社ノード間のみで復号可能なデータとして秘匿できる仕組みを実現したとしている。