クラウドファンディングで資金調達する狙い

前述の通り、キングジムはトレネの発表に合わせ、クラウドファンディングのMakuakeで資金調達を実施。調達期間を90日、目標金額を500,000円として募集した。すると、10月11日中に目標金額を大きく上回る839,420円を調達し、締め切っている。応募者の手元には、2018年1月中にトレネを届ける予定だ。

キングジムの開発本部長を務める亀田登信常務取締役は、クラウドファンディングを利用した背景について次のように語る。

「当社は世の中にない潜在的なニーズを商品化してきた。新規概念の商品は、事前のユーザー調査では良し悪しの反応が見えづらい。調査でいけると思ったがダメだった、あるいは調査はイマイチだったがヒットした。これを両方とも経験して、いまでは事前のユーザー調査はしていない。クラウドファンディングならば量産在庫を持つ前に、商品に対する反応を早い段階から確認でき、情報感度の高いユーザーのニーズを拾える」

亀田氏は「クラウドファンディングは、ユーザーの意見やニーズを今後の開発や販促活動に活用しやすく、新しい概念の商品開発と相性が良い」という

また、開発本部商品開発部の東山慎司氏は、開発動機について「Bluetoothトラッカーと逆の発想から開発した。普段は待機だけして、離れる時だけ見守り、不測の事態には即座に警告を発する。席にいるときに誤ってアラームが鳴ることもない。荷物を見ていてくれる家族や仲間がいない、一人で行動するときのためのアイテム」と説明する。

ちなみに「トレネ」の名称は、「盗めない」が由来で「盗れない→盗れねえ→トレネ」と文字って決めたという。トレネの本体サイズは、直径40mm×H29mm。重量は約18g。通信方式がBluetooth 4.1 BLEだ。

左からキングジムの開発本部長 兼 広報室担当の亀田登信常務取締役、開発本部商品開発部 デジタルプロダクツ課 リーダーの渡部純平氏、マクアケ 取締役の木内文昭氏