たとえば、サッカーでドリブルしてシュートする子供を追っかけて撮影する時、ちょこまかと走り回る子供をうまくフレームに収めて追っかけるだけでも大変だし、シュートした時に子供からボールに被写体を移してゴールマウスに吸い込まれるボールをうまくフレームに収めるのは至難の技だ。でも、FUSIONを使えばそれが簡単にできる。子供を追っかけて撮影するだけで良いのだ。

できあがった360度映像には子供を中心に周囲の全てが記録されているから、あとからパソコンまたはスマートフォンでOverCaptureを使って、欲しい映像や画像を切り出す。作成方法は簡単だ。360度動画の中で、もう一度撮影するようにしてHD動画や画像を切り出す。まず子供にズームインしてドリブルする様子を追っかけ、シュートしたらボールにフレームを合わせ、そしてズームアウトさせてゴール全体を収めるという具合だ。

スケートボードパークの真ん中にFUSIONを設置

スケートボードパーク全体をカバーする360度映像でスケーティングを録画

撮影した360度動画を再生しながら、スマートフォンでOverCaptureを使って、360度動画からHD動画を切り出す

誰かが追走して撮影したようなプロフェッショナルなHD動画を、自分1人だけの撮影で完成、5.2Kなら1080p、3Kなら720pの動画を360度動画から切り出せる

スマートフォンでOverCaptureを体験させてもらったが、本当に簡単だった。被写体を拡大するにはピンチアウト、逆はピンチイン、あとはスマートフォンを動かしてフレーミングする。普段スマートフォンを使って動画を撮影するのと変わらない。それを360度動画を再生しながら行うだけである。

360度映像から作るから納得いくまで何度でもやり直せるし、ドリブルして攻撃する子供と、その子供を追っかけるディフェンスの子供のクリップを別々に作ったり、または2人の様子を交互に1つにまとめたクリップなど、1つの360度動画から様々なクリップを作れる。

これまでなら2人の子供を撮るには2台のカメラが必要だったが、1台で周りの子供全員を記録できる。あらかじめ被写体を決めて、被写体にカメラを向け続ける必要もない。ざっくりと撮っておけば、全てが記録される。CEOのNick Woodman氏は「最高に自由でクリエイティブなツール」と述べていたが、FUSIONとOverCaptureの組み合わせには創作意欲を刺激された。ユニークなコンテンツを生み出せる大きな可能性を感じた。

パラグライダーのポールにFUSIONを設置して撮影しているが、ポールは写っていない

カメラの位置を工夫して、2つのカメラで自然な360度映像を実現している