--日本のユーザーの状況を教えてほしい。クラウドへの移行は加速していると言えるのか--

三木氏: クラウドを活用する企業は、確実に増加している。だだし、基幹系システムとクラウドを連携させて利用している事例は少数派だ。現在はオンプレミス中心だが、開発環境やクラウドネイティブなサービスをクラウドで利用している企業は多く、オンプレミスで運用しているシステムの一部をクラウド化したいという要望は増加している。

データセンターは、(データセンター)全体を仮想化する「Software-Defined Data Center(SDDC)」化にシフトしている。NSXは自動化を実現するソリューションとして使われるケースが多い。NSXは(SDDC)のコアとなる技術だ。お客さまのNSXに対する関心度は、過去にサーバ仮想化を訴求した時よりもはるかに高いと感じている。

また、Workspace ONEも、需要はさらに伸びると期待している。もちろん、Workspace ONEが提供するすべての機能を導入している企業は少ないが、日本のEUCに対する関心度はグローバルのそれと比較しても高い。

特に2016年は、地方自治体でVDIの導入が加速した。その目的は、インターネット接続との分離だ。実際、都道府県など自治体の7~8割はVDIを導入していただいている。同市場は規模も大きい。今後も積極的に獲得していきたいと考えている。

--新技術や顧客獲得にあたり、課題となっていることはあるか--

三木氏: 人材の確保だ。これは日本法人だけの課題ではない。最先端の技術を理解し、お客さまへの導入を支援するエンジニアの数を確保することが当面の課題と言える。同時に人材の育成にも注力していく必要があるだろう。

--Dellによる米EMCの買収が2016年に完了した。EMC傘下のVMwareに――特に日本法人に――どのような影響がある、またはあったのか--

三木氏: (米Dell TechnologiesとDELL EMCの)VMwareに対する期待は高いと感じている。Michael Dell(マイケル デル)会長兼CEOは、VMwareのエコシステムを尊重しており、(買収後も)VMwareと既存パートナーとの関係は変化していない。

買収後は、DELLからのVMwareに対する売上げは伸びている。つまり、VMwareの製品をDELLが販売してくれているということだ。また、Dell EMC傘下の企業が開催するイベントやカンファレンスなどでもVMwareの名前はよく登場する(笑)。VMwareはそれだけのプレゼンスがあると受け止めている。

米Dell Technologiesの会長兼CEOを務めるMichael Dell(マイケル デル)氏は、基調講演後の記者会見で、VMwareのエコシステムを今後も堅持していく姿勢を明確にした