米バイオジェンは8月28日(現地時間)、同社が実施中の早期アルツハイマー病治療薬 aducanumabに対する第Ⅰb相試験からの長期継続投与(LTE)試験について、最近実施した解析結果を発表した。

aducanumabは、早期アルツハイマー病の治療薬として開発中の治験薬で、可溶性オリゴマーや不溶性線維などを凝集してアミロイド斑を形成しうる形態のベータアミロイドを標的とすると考えられている。ベータアミロイドは、アルツハイマー病患者の脳内でアミロイド斑を形成するが、非臨床データおよびこれまでに得られた第Ⅰb相試験データでは、aducanumab投与はアミロイド斑のレベルを下げることが示されている。

第Ⅰb相試験は、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、反復投与試験であり、前駆状態および軽度のアルツハイマー病患者における、aducanumabの安全性、忍容性、薬物動態(PK)、薬力学(PD)および臨床的有効性を評価する試験。第Ⅰb相試験の54週間のプラセボ対照期間を完了した患者は、LTE参加への選択をすることができる。

今回追加実施された中間解析には、漸増群において最長24か月、固定用量群において最長36か月のaducanumab投与を受けた患者のプラセボ対照期間およびLTEから得られたデータが含まれており、36か月にわたって投与を受けた患者においては、PETで測定したアミロイド斑が用量依存的および時間依存的に減少を続け、10㎎/kg固定用量群では、PET画像での陽性と陰性を隔てる定量的カットポイント以下と考えられるレベルに到達して維持されるなど、結果は、以前に報告された解析との一貫性があり、進行中のaducanumab第Ⅲ相試験のデザインを支持するものであったという。

なお、第Ⅲ相臨床試験は、現在2つの国際共同第Ⅲ相試験であるENGAGE試験とEMERGE試験で検討されている。