クレジットカードの購買情報からはわからない非購買者データまで手に入る

現場での案内が好調なZUKKU。収集できる顧客属性についてはどのようなものを予測しているのだろうか。

「おもちゃ売り場には未就学のお子様がいらっしゃいますが、これからは小学校低学年くらいのお子様もターゲットとしてアイテムを増やしていきたいと考えています。そこで本当にその層のお子様がいらっしゃるのか調べる必要がありました」(西山氏)

今回の実験の狙いの1つには、フロアに訪れる子供たちの情報を獲得することが挙げられるという。ZUKKUの画像認識技術では、100人程度であれば同時にカメラで捉えた人物について年齢や性別の情報を収集できる。その目で1日中フロアを見続けて自動で情報を集めてくれるので、膨大な現場のデータを手に入れることができるはずだ。

「これまで弊社では、商品を購買されたお客様のデータを収集していました。特にカードを使って買われた人の情報はわかるのですが、実際におもちゃをカードで買うのはご家族ですので、お子様の情報についてはわかりません。そして何よりも、購買に至らなかった方のデータは入手する術がなく、販売員からのヒアリングが必要でした。ZUKKUはそれらの情報を効率よく入手できる可能性があり、今回の実験でもどのようなデータが取れているか非常に楽しみですね」と、西山氏は実験から得られるデータに期待を寄せる。

取得したデータ閲覧画面のイメージ

今回は実証実験ということもありデータはハタプロ側で管理しているが、アカウントを発行すれば導入企業側でリアルタイムに情報を把握することも可能だ。

現場のフィードバックによって改善・成長を繰り返す

ショッピングにエンターテインメント性をもたらすだけでなく、従来のカード情報などでは手に入らない来店客の属性情報も入手できるZUKKU。西山氏は「個人的には各ショップの出入り口に設置してもいいと思っています。お客様に入ってきていただくためのフックにもなりますし、効率よく情報の取得を行えるのではないでしょうか」と、普及を望む。

しかし、接客がAIに置き換わっていくべきかというと、そうではなく、「もちろん、根幹になるのは人の接客です。それを補完するツールとして、ZUKKUは価値の高いものだと思います」と、西山氏。

伊澤氏も「我々も同じ考えです。デザインを人でなくフクロウとした理由の1つでもあるのですが、人に置き換わるものではなく、あくまで人をサポートするものだと思っています」と、同意する。

「今までは紙のPOPやデジタルサイネージを設置する方法がメインでしたが、データを収集しつつもお客様への紹介も行うという新しい取り組みができていると感じています。ケースに応じてPOPやロボットを使い分けるといった形で選択肢の幅が広がりますね」(西山氏)

先端技術を使ったシステムが導入されても、人による接客や紙のPOPが消えるわけではない。これからもホスピタリティのある人の接客や、アナログの良さが伝わる紙のPOPは変わらずに求められるだろう。それらとZUKKUなどのAI接客を組み合わせることで、さらなる相乗効果にも期待できるのではないだろうか。

また、今回の実験を振り返って西山氏は「欲を言えば、実際に動いて案内してくれる機能や、会話を楽しめるような機能が搭載されてほしいですね」と、さらなる進化を希望する。

それに対して伊澤氏は「実は現在開発しているところです。まずは首が動くところからはじめ、本体が動くことも目指しています。できる機能から実装して現場に出し、フィードバックをいただいてさらなる機能開発を進めるというステップを踏んでいく予定です。対話機能なども進めていますよ」と、ZUKKUがすでに次のステップへ進んでいることを明かした。

ZUKKUはまだまだ進化を続ける

ZUKKUはまだまだ成長途中。これからも現場のフィードバックを得て、改善と成長を繰り返しながら、さらなる進化を続けるはずだ。今後、この小さなフクロウがどのようなフィールドへ羽ばたいていくのか、目が離せない。