iPhoneと直接対決を選んだ理由とは?

Note8が発売される9月15日の週には、アップルが新型iPhoneを発表するとの見方が濃厚だ。いずれも10万円前後の高級スマホになるだけに、両者を見比べてから購入を決めたい消費者は多いはずだ。

ニューヨークでの発表内容からは、サムスンが新型iPhoneに燃やす対抗心が伝わってくる。本体前面を覆うディスプレイ、虹彩認証と顔認証、ワイヤレス充電、デュアルカメラの両方に搭載した光学式手ぶれ補正など、新型iPhoneで噂される機能の多くは、すでにNote8が実現していることをアピールした。

ワイヤレス充電などに早くから取り組んできたことをアピール

さらにNote8には、新型iPhoneでさえ追いつけない優位性もある。それはサムスン独自技術を活かしたディスプレイ周りのデザインや、Sペンによるペン入力、そして外部ディスプレイの活用だ。

ディスプレイを自社で製造するサムスンは、その特性を最大限に引き出した端末デザインが可能だ。最初に本体端を曲げてきた「Galaxy Note Edge」の頃には違和感もあったが、今ではすっかり先進的なデザインとして定着した。iPhoneの外観がどんどん時代遅れになりつつある、との指摘は多い。

ペン入力には根強いビジネス需要もある。対面でスマホを手に持つといかにも集中していない印象を相手に与えるため、紙のノートが手放せない人もいるはずだ。だがNote8なら、スマホにペンで書き込めるため格好がつく。

スマートフォンの未来を先取りしたかのような機能が、「Samsung DeX」だ。外部ディスプレイとキーボード、マウスを接続することでPCのように利用できる。マルチウィンドウでOfficeアプリを実行したり、動きの激しいオンラインゲームをプレイしたりする様子は、近い将来、PCの置き換えを予感させるものになっている。

スマホをPCのように使える「Samsung DeX」

このようにGalaxy Note8には、前モデルで毀損したブランドイメージを補って余りあるほど、サムスン独自の最新技術が惜しみなく投入されている。それをiPhoneにぶつけてきたことは、サムスンの並々ならぬ自信の表れと理解してよいだろう。